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2022 年度 実施状況報告書

乳酸菌による花粉症発症抑制効果とFOXP3のエピジェネティック制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 22K07885
研究機関北海道大学

研究代表者

大森 晶奈  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 博士研究員 (10928782)

研究分担者 片桐 千秋  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 特任助教 (00443664)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードI型アレルギー / 乳酸菌 / IgE受容体
研究実績の概要

初めに、アレルギーの主な原因物質であるヒスタミンを発生させるマスト細胞への乳酸菌の直接的作用を明らかにするための実験を行った。今回はIgE受容体が高発現しているKU812細胞を使用した。IgE受容体(α、γ)のmRNA発現量における乳酸菌の影響をReal time PCRによりスクリーニングした。IgE受容体(α、γ)のmRNA発現量は血清Freeの培地にすることで高発現させた。スクリーニングの結果、乳酸菌Pediococcus sp. Aがより効果的にIgE受容体(α、γ)のmRNA発現量を抑制することが明らかになった。次に、アレルギー関連遺伝子(Dock5、CD40LG)のmRNA発現量を定量した。その結果、乳酸菌Pediococcus sp. Aの濃度依存的にDock5、CD40LGのmRNA発現量は減少した。一方で、乳酸菌Pediococcus sp. AはKU812細胞の24、48、72時間後の生存率に影響を与えなかった。加えて、A23187およびPMAにより誘導したリン酸化ERKの発現量は、乳酸菌Pediococcus sp. Aにより減少した。さらに、マスト細胞において脱顆粒の際に上昇するセカンドメッセンジャーである細胞内Ca2+濃度を測定した。細胞内Ca2+濃度はA23187およびPMAにより誘導した。細胞内Ca2+は、乳酸菌Pediococcus sp. Aの濃度依存的に減少した。この研究において、乳酸菌のマスト細胞における直接的な作用を明らかにすることは粘膜や皮膚に直接乳酸菌を塗布した際の作用を予測する上で、重要且つ意義のあることである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

KU812細胞の培養液中のヒスタミンの放出量をELISAで測定しようとしたが、放出量の少なさ、半減期の影響からなかなか測定が上手くいかず実験が滞ってしまった。今後、ヒスタミンの定量は動物実験で得た血清を用いて定量する予定である。

今後の研究の推進方策

動物実験の予備実験を早急に行い、速やかに本実験に移行する。その間に、フローサイトメトリーの手技を習得し、実験が出来るだけ円滑に進むように努める。

次年度使用額が生じた理由

予定通り実験が進まず、次年度に繰り越すこととなった。
使用計画としましては、動物実験に使用する動物を購入し、使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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