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2023 年度 実施状況報告書

BMPシグナルに着目した脊髄性筋萎縮症に対するSMN非依存的治療の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K07895
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

戸澤 雄紀  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 学内講師 (30804950)

研究分担者 吉田 英樹  京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 准教授 (30570600)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード脊髄性筋萎縮症 / SMN / 神経筋接合部異常 / Lrp4 / BMP活性 / SMN非依存的治療
研究実績の概要

ショウジョウバエの神経組織でのSmnタンパク質の低下が運動・生存の表現型に影響することを確認するためにKD系統を評価した。GAL4-UASシステムを使用し、UAS-Smn-RNAiの3系統(36621, 55158, 67950)をAct5c-GAL4でユビキタスにSmnをKDした。幼虫のwhole bodyからRNAを抽出しリアルタイムPCRで評価したところ、KD効率は67950>55158>36621の順に高いことが分かった。
次にelav-GAL4を使用し、神経特異的にSmnをKDを行った。幼虫の中枢神経でリアルタイムPCRを行ったところSmnのKD効率はユビキタスにKDしたものと一致した。神経筋接合部(NMJ)の免疫染色をしたところ、神経特異的にSmnをKDした幼虫ではNMJの低形成を認め、さらに幼虫・成虫の運動能の低下、成虫の生存期間は短縮を認めた。以上の結果よりショウジョウバエにおいても、神経組織でのSmnタンパク質の低下により神経筋接合部の異常や運動能の低下を認めることが分かった。
次に、 ヒトのSMAの病態に近づけるために、hypomorphic Smn変異体(Smn73Ao/Smnf01109のcompoundヘテロ)を作成し、評価したところ、NMJの低形成と幼虫・成虫の運動能の低下を認め、compoundヘテロ変異体モデルでもKD系統と同様の表現型が示すことが分かった。
また、今回治療ターゲットとして候補に挙げているタンパク質Lrp4の神経特異的KD系統の表現形を確認したところ、SmnのKD系統と同様に運動能の低下を認め、ショウジョウバエにおいては、Lrp4はポストシナプスのみでなくプレシナプスにおける機能も有している可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね予想していた表現型を示すSMAモデルショウジョウバエの作成が完了した。

今後の研究の推進方策

作成したSmnのcompoundヘテロ変異体の幼虫腹側神経節でリン酸化Madの発現を評価し BMP活性の低下を来たしているかを評価する。さらにLRP4を神経特異的または筋特異的に強制発現させることでBMP活性の回復、神経筋接合部異常の改善をきたすかを評価し、SMN非依存的治療となる可能性を検討する。

次年度使用額が生じた理由

Lrp4の強制発現系ラインを自前で作成する予定であったが、米国トーマスジェファーソン大学より分与を受けたため、予定していた助成金を全て使用しなかった。ただし神経筋接合部におけるLrp4の局在を評価するための市販の抗体が入手できなかったため、前年度未使用額をLrp4の抗体作成(受託)に使用する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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