研究課題/領域番号 |
22K07916
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
落合 正行 九州大学, 環境発達医学研究センター, 特任准教授 (90507782)
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研究分担者 |
井上 普介 九州大学, 大学病院, 助教 (90467902)
澤野 徹 九州大学, 大学病院, 医員 (90838963)
石村 匡崇 九州大学, 医学研究院, 講師 (10448417)
藤吉 順子 九州大学, 大学病院, 助教 (20467921)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 新生児医学 / 血液学 / 血栓症 |
研究実績の概要 |
未熟児動脈管開存症、頭蓋内出血・脳室周囲白質軟化、壊死性腸炎、未熟児網膜症および気管支肺異形成は、極低出生体重児の主要合併症であり、救命と予後に影響する。これらの病態には、血管新生と血栓傾向が関与する。血栓形成には血管傷害と血流異常、血液凝固線溶因子の活性化が、環境要因と遺伝学的背景(血栓性素因)の影響を受けて複合的に作用する。研究代表者らが行った全国調査では、新生児血栓症患者の大半は遺伝子検査を受けておらず、さらに表限度が低い遺伝型でも血栓症を発症していることが判明した。そこで新生児期の血栓性素因を網羅的に検索する遺伝子パネル検査を試作し、診断未確定の血栓症新生児で測定したところ、過去に報告がない血管障害に関連する遺伝子変異を検出した。私たちはこれらの予備研究をもとに、血管新生と血栓傾向が関与する極低出生体重児の主要合併症には、環境要因に加えて血栓性素因が影響する、という研究仮説を設定した。遺伝性血栓症には抗凝固療法や補充療法で治療可能な疾患が含まれる。本研究により合併症ハイリスクが早期診断され、遺伝子特異的な新規治療法の適応が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
血栓症を発症した新生児での遺伝子パネル検査は順調に進められている。 極低出生体重児を対象としたパネル検査は開始できていない。
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今後の研究の推進方策 |
パネル検査を行った症例で検出されたバリアントの病的意義の検証を進めてゆく。 新生児特発性血栓症の診療ガイドの発刊を目指す。 当院に入院した極低出生体重児のリクルートを開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遂行に向けた物品費、旅費、人件費・謝金ほかを予定している
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