研究課題/領域番号 |
22K07920
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
村瀬 真理子 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (80315796)
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研究分担者 |
上野 寛枝 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 研究員 (20425713)
葉山 智工 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 講師 (70819903)
木村 弥生 横浜市立大学, 先端医科学研究センター, 准教授 (80391936)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 卵胞液 / 卵成熟 / バイオマーカー / 着床 |
研究実績の概要 |
移植時の胚と子宮の生殖能力を予測するための技術や信頼性の高い生物学的マーカーも存在しないことが一因となって、生殖補助医療(ART)により妊娠に至る胚は全世界で10%未満にとどまっている。申請者らはヒト卵胞液のプロテオーム解析を行い、妊娠に成功した検体でADAM17の標的分子である新規因子Aの発現が上昇していることを見出した。本研究では、胚でADAMとこの新規因子Aの経路が存在するか検証し、その着床促進能の実態を明らかにすることで、ARTにおける移植胚の選定技術と胚の着床能を向上させる技術開発を目標とした。 まず新規因子Aの働きを評価することを当該年度の目標として立て、その研究を遂行した。マウスを用いて、新規因子Aを添加ないしはAに結合し機能阻害すると考えられる抗体を添加した培養液において成熟させた卵を受精させ、胚培養後に胚移植を行った。それにより着床率への影響を及ぼすことが判明し、更なる評価のためにin vivoでの着床を評価するために卵管内へのAもしくは抗A抗体の添加実験、Aの機能部位評価のための蛍光免疫染色病理学的解析を行った。更に、卵の成熟への影響をヒトで調べるために、卵子凍結のため回収したが未成熟であるため凍結基準を満たさず廃棄される未成熟卵をAを添加した培養液で培養することで評価を行った。Aと胚に関する関係性は更に評価を深める予定である。 更に、Aの機能経路を明らかにするために今後はまた細胞膜上に存在するAを切り出し可溶型とすることが分かっているADAM17との直接的な作用についての評価を行う計画である。そのために、ADMA17の添加・機能阻害実験を計画している。当該年度においてADAM17と癌細胞の既報などを参考にして実験系の準備を行っており、次年度は実際にその実験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の計画である胚発生における新規因子Aの役割についての評価は順調に進行している。今後さらなる評価を行う予定ではあるが、当初の計画とおおむね同程度の成果が得られておりおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は新規因子Aと胚の発生における関係性の評価を深めるために、遺伝子発現解析なども視野に入れて検討していく計画である。単一の胚を死滅させないように細胞を生検し、RNAを回収する手法は確立しておらず、その解決が必要であり研究グループ内で議論しており、現在あらたな手法を条件検討している。それと共に、Aの上流因子と考えらえるADAM17との直接的な関係性の評価にをさらに進めていくために、胚の体外培養系におけるADAM17の機能亢進・阻害実験を計画中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度における実験では整備備品、消耗品、マウスについて、研究室にある既存のものを使用することができたため新たに購入する必要性が乏しく予定よりも必要とする費用が少なかった。しかし既存の消耗品、マウスが現在少なっており、次年度の実験を遂行するために新たに購入する必要性がある。更に次年度に計画している実験内容ではこれまで使用していなかった試薬を要するため、これらのの購入には次年度使用額を充てる必要性がある。また、当該年度に購入しなかった設備備品についても購入を予定している。
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