研究課題/領域番号 |
22K07950
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
内木 康博 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児内科系専門診療部, 医師 (20470007)
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研究分担者 |
小野寺 雅史 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 遺伝子細胞治療推進センター, センター長 (10334062)
深見 真紀 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 部長 (40265872)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 先天性副腎皮質過形成症 / 遺伝子治療 / アデノウィルス随伴ウィルスベクター / 21水酸化酵素欠損症 / 11β水酸化酵素欠損症 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、先天性副腎皮質過形成(CAH)に対するin vivo遺伝子治療のための治療効果の高いアデノ随伴ウィルス(AAV)ベクターを開発することである。 23年度は21水酸化酵素欠損症に次いで頻度の高い11β水酸化酵素欠損症の原因遺伝子Cyp11b1に補酵素のFdxとFdxrを結合させたcDNAにプロモーターに副腎特異的なSf1結合モチーフを有する血清型9型AAV(AAV9-Sf1-Cyp1b1-Fdx-Fdxr)ベクターを作成した。 これを11β水酸化酵素欠損症モデルマウスに経静脈投与を行い、投与前と4週後にマウス血清中のデオキシコルチコステロン(DOC)とコルチコステロン濃度をLC-MS/MSで測定した。 AAV9-Sf1-Cyp11b1-Fdx-Fdx導入したマウス血清中のDOC/Bの低下を認めた。これはAAV9-Cyp11b1を副腎直接投与後と同程度であった。投与後のマウスから副腎を摘出しRT-PCRを行ったところ副腎特異的にCyp11b1-Fdx-Fdxの発現を確認した。よってより侵襲が少ない投与方法で同等の治療効果が得られたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
予定通りAAV9-Sf1-Cyp11b1-Fdx-Fdxrの作成及びマウスへの投与に加え、筋肉特異的プロモーターを有するAAV9-Cyp21a1-Porも作成しえたのが計画以上であった。
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今後の研究の推進方策 |
今研究期間の最終年度である本年度にはAAV9-Sf1-Cyp11b1-Fdx-Fdxr投与の長期効果と安全性の確認と、さらにCyp21a1に補酵素のとPorを結合させたcDNAにプロモーターに副腎特異的なSf1結合モチーフを有する血清型9型AAV(AAV9-Sf1-Cyp21a1-Por)を作成し、経静脈投与における治療効果を検討する予定である。さらにCyp21a1-Porに関しては筋肉特異的プロモーターに変更したAAVベクターの効果も検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は学会参加が少なく予算より少なく済んだため
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