研究課題/領域番号 |
22K07953
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
守時 由起 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (90585522)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | B細胞除去 / MUSE細胞移植 / 原発性胆汁性胆管炎 |
研究実績の概要 |
原発生胆汁性胆管炎(PBC)は、難治性自己免疫性慢性肝疾患であり、有効な治療法は確立されていない。ursodeoxycholic acid (UDCA)内服治療は疾患進行を遅延させるものの、30%程度はUDCA不応性であり肝硬変への進展抑制が困難である。脂質異常症治療薬panPPAR agonistであるBezefibrateについては、GLOBEスコア、UK-PBCスコアおよび長期予後の改善が示されているものの国内での保険適用がなく以前より腎障害が懸念されており、またPPARα agonistであり現在治験進行中のPemafibrateについても、ALP低下の研究報告は見られるものの劇的な治療効果を期待することは難しい。米国FDAにて承認されたobeticholic acid (OCA)は、2022年以降はUDCA不応例における血清学的、組織学的改善に加えて肝移植までの期間延長などが報告されているが、有害事象として重度掻痒や死亡例の報告もあり日本は開発中止となっている。また非代償期肝硬変症例における有効な治療は肝移植のみでため、新規療法開発を最終目標とした活発な研究が世界的に進められている。 研究代表者らは、抗hCD20ヒト化抗体の臨床開発と併行して開発したHuman CD20、Human FcgR発現PBCモデルに対する抗hCD20ヒト化抗体投与において、肝臓内B細胞数の低減に伴うPBC病態の改善を報告しているものの、肝線維化の改善、傷害胆管の修復については十分な検討がなされていない。 近年の再生医療研究においてiPS細胞以外にも多分化能を有する一方で腫瘍形成がみられないmultilineage-differentiating stress-enduring (MUSE)細胞が報告されており、MUSE細胞による肝線維化の改善、傷害胆管の修復の可能性に着目している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初研究に用いる予定であったモデル動物の妊孕能低下に伴い継代が不可能となったことから、疾患モデルの再導入を行い、現在モデル動物の作成を再度進めている。
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今後の研究の推進方策 |
モデル動物の作成を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に用いる予定であったモデル動物の妊孕能低下に伴い継代が不可能となったことから、疾患モデルを再度導入し、現在モデル動物の作成を行なっており、遅延が生じた。次年度分の支払請求額と併せて、モデル動物の完成および検討に必要な物品、試薬等の購入を進める予定である。
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