研究課題/領域番号 |
22K07954
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
星川 恭子 山形大学, 医学部, 助教 (20613053)
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研究分担者 |
芳賀 弘明 山形大学, 医学部, 准教授 (70466613)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 脂肪肝 / 肝再生 / Epiregulin |
研究実績の概要 |
申請者らの最終目的は,脂肪性肝疾患を背景とした肝線維化の過程における肝再生機構について明らかにすることであるが,本研究では,基礎的検討としてNASHモデル動物を用いて,肝再生関連増殖因子の肝線維化への関与とその機構を明らかにすることを目的としている. 2022年度は,Epiregulin遺伝子欠損(KO)マウスへの食事負荷NASH誘導を行い,肝組織標本作成,血液生化学検査をおこなった.高脂肪食餌負荷マウスは,普通食給餌マウスと比較し,給餌期間を通し体重増加を認め肥満を呈した.さらに普通食給餌群では,Epiregulin-KOとWild type(WT)間に体重の差はなかったが,FFC食餌負荷群では,KOマウスで有意に体重が重い結果であった.肝体重比は,WTと比較しKOマウス群で有意に重かった.肝組織の解析では,肝の脂肪化はWild-typeとKOマウスの両群で認めたが,KOマウス群で脂肪化の程度が増悪していた印象であった.また,肝酵素であるALT値はWTと比較しKOマウス群で高い結果であった.この結果からは,Epiregulinが,脂肪組織や肝の脂肪蓄積に関与している可能性が考えられた. 2023年度は,前年度の実験で得られた肝組織を用いて肝線維化や肝内炎症の程度を解析した.シリウスレッド染色の結果,FFC食餌負荷群では,KOマウスで染色領域が減弱していた.同様にα-SMA染色もFFC食餌負荷群では,KOマウスで染色領域が減弱していた. マクロファージマーカーであるF4/80免疫染色の検討では,炎症細胞浸潤はFFC食負荷KO群で軽減していた.また,TUNELアッセイの結果,アポトーシスはエピレグリンKOマウスで減弱していた.引き続き組織,生化学的な解析をすすめていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脂肪性肝疾患を背景とした肝線維化の過程における肝再生機構について明らかにすることを目的としている本研究においては,2022年度は,Epiregulin遺伝子欠損(KO)マウスへの食事負荷NASH誘導を行い,肝組織標本作成,血液生化学検査をおこなった.また2023年度は肝の組織学的解析(Sirius-red染色,F4/80およびTUNEL染色)を行った.おおむね当初の予定通りに研究が進行している.
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今後の研究の推進方策 |
おおむね当初の計画通り実験が進んでいるため,2024年度は,前年度までに得られた肝組織や血清などを用い,レプチン値測定(ELISA)および遺伝発現解析(TNF-α,MCP-1,ACTA2,Collagen1α1など)を予定している.
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次年度使用額が生じた理由 |
肝組織の解析が順調に進んだため,当初の予定より実験にかかる物品購入が少なく済んだため.2024年度に計画している遺伝子発現解析およびELISA測定にかかわる物品購入に充てる予定である.
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