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2022 年度 実施状況報告書

患者由来大腸オルガノイド移植法を用いたdysplasia-PDOXモデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K07957
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

福田 将義  東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (00733627)

研究分担者 水谷 知裕  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (80632588)
岡本 隆一  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50451935)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード腸上皮オルガノイド / 潰瘍性大腸炎 / Dysplasia / 炎症性発癌 / オルガノイド移植
研究実績の概要

炎症性腸疾患に対する治療の進歩に伴い、長期罹患による炎症性発癌や前癌病変であるdysplasiaの合併が多く見られる。dysplasiaの早期発見は内視鏡サーベイランスの需要な位置を占めるが、内視鏡所見も多様で、遺伝子変異の形式や炎症性発癌のメカニズムなど未だ解明されていないことが多く、より強力な研究モデルの開発が望まれている。本研究では、研究代表者らが独自に開発したEDTA上皮剥離・オルガノイド移植法を用いて、患者由来の大腸dysplasiaオルガノイドを移植することで、免疫不全マウスの直腸部にdysplasiaを生着させた患者由来同所異種移植(dysplasia-PDOX)モデルを作出し、炎症性発癌のメカニズム解明を目指す。オルガノイド培養法とその移植法を利用することで、前癌病変であるdysplasiaそのものを生体内で再現するモデルマウスを作出する本研究の試みは、内視鏡検査による腫瘍の形態学的特徴やその進展を観察しうる革新的なモデルとして、病態メカニズムを明らかにするための新規アプローチを開拓することが期待される。
本年度は、研究代表者の施設において、潰瘍性大腸炎を中心とするIBD罹患患者の内視鏡サーベイランスでdysplasiaを検出した患者を対象として、病変部からの内視鏡下生検検体を用いたdysplasia由来の異型上皮オルガノイド培養樹立を予定した。他方、dysplasiaの明確な診断が得られるケースが少ないこともあり、潰瘍性大腸炎患者に生じた孤発性早期大腸癌症例の患者を対象として、腫瘍検体からのオルガノイド培養樹立の検討を行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、潰瘍性大腸炎患者に生じた孤発性早期大腸癌症例の患者を対象として、腫瘍検体からのオルガノイド培養樹立の検討を行なった。内視鏡的粘膜下層剥離術で得られた腫瘍組織より採取した微小な腫瘍検体から安定的に腫瘍細胞を単離、オルガノイド培養し得る条件を見出した。様々な潰瘍性大腸炎患者の早期大腸癌症例から安定的に腫瘍オルガノイド培養を樹立できていることから、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

本年度樹立された腫瘍オルガノイド培養条件を用いて、長期罹患潰瘍性大腸炎患者に生じるdysplasia由来の異型上皮オルガノイド培養樹立を試みる。樹立された患者由来オルガノイドは凍結保存によりバンク化を図るとともに、組織学的解析および次世代シーケンサーによる全ゲノム遺伝子変異解析を行う。さらに、樹立したdysplasia上皮オルガノイドをNSG免疫不全マウスに対して移植することで、dysplasia-PDOXマウスモデルの作出を試みる。

次年度使用額が生じた理由

研究の過程で、腫瘍検体からの単離、培養における効率的条件を比較的早期に確立することが可能であった。その一方で、多数の症例による培養条件検討を優先したため、当初予定されていた発現遺伝子解析を今年度施行しなかった。次年度に網羅的発現遺伝子解析を実行する計画である。

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公開日: 2023-12-25  

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