研究実績の概要 |
In vitro実験として食道がん細胞株(TE1, TE8, TE10, TE11)にトリフルリジン(FTD)を投与するとDNAシングルストランドDNA障害の指標となるphospho-RPA32の発現が誘導されることをWestern blotで示した。また、FTD投与によりこれらの細胞内でWee1活性化の指標となるphospho-CDH1の発現が誘導されることをWestern blotで明らかにした。次にWee1阻害剤(AZD1775)を投与した際にWee1シグナルの抑制効果(phospho-CDK1のシグナル抑制)をWestern blotで確認した。次にこれらの細胞にFTDとAZD1775を併用投与した際に、γ-H2AXの発現が亢進しDNA障害が増強することをWestern blotで示し、併用治療で細胞障害性が増強することをWST1 assayで示した。in vivo実験では食道癌細胞TE8由来のxenograft腫瘍を作成してにFTDとAZD1775を単剤または併用投与し、抗腫瘍効果ついて検討したところ、併用治療により抗腫瘍効果が有意に増強することが明らかとなった。
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