研究課題/領域番号 |
22K07967
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
山本 博徳 自治医科大学, 医学部, 教授 (10311937)
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研究分担者 |
矢野 智則 自治医科大学, 医学部, 教授 (30438634)
永山 学 自治医科大学, 医学部, 助教 (80741347)
三浦 光一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90375238)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | クローン病 / 大腸菌 / バクテリーファージ |
研究実績の概要 |
クローン病(Crohn’s disease; CD)は難治性疾患で、全消化管に病変をきたし、特に小腸はその主座となることが多い。CDの原因として腸内細菌の関与が注目されているが、これまでの研究の多くが糞便を用いた研究である。しかし病変の主座である小腸の細菌叢の解析は、その到達困難性から研究は進んでいない。我々はこれまでの研究で、小腸内視鏡を用いて小腸からサンプルを回収し、CD患者の小腸粘膜には大腸菌が多数存在することを報告した。さらにCD患者の小腸粘膜から単離した大腸菌35A1株を無菌マウスに移植すると腸管の免疫細胞に変化を生じ、腸に炎症を生じさせることから、CD発症に寄与している可能性を示した。本研究ではさらに14名のCD患者さん(小腸病変を有する患者さん)から糞便を回収し、また小腸ダブルバルーン内視鏡を用いて腸液および小腸粘膜擦過物を採取した。現在、それらサンプルでの腸内細菌の解析を次世代シーケンサーにて行い、糞便、腸液、小腸粘膜から分離される細菌叢に違いがあるか検討中である。また各サンプルから回収した大腸菌のライブラリー化を行い、これら細菌に対するバクテリオファージ設計を考案中である。また CDの背景因子(性別、年齢、病勢、治療内容)と大腸菌の関連性の解明も行なっている。症例数は少ないが、CDの活動性が増加した症例では小腸粘膜の大腸菌が増加傾向にある。一方、小腸液でも大腸菌は検出されるが、そのような傾向は今のところみられない。データがまとまり次第発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染の影響で、病院施設の使用や個人の研究活動に制限が設けられたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後はコロナ感染症の位置づけが第5類に変更されるので、その影響は小さくなると思われる。順次計画書に沿って研究実施予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用予定の試薬があり、初年度の一部金額を繰り越して、次年度の研究費とした。
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