研究課題/領域番号 |
22K07981
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
川田 一仁 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90722968)
|
研究分担者 |
則武 秀尚 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10467235)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 原発性胆汁性胆管炎 / 高脂肪食 / 肝線維化 |
研究実績の概要 |
ヒト様胆汁酸組成マウス(Cyp2c70/Cyp2a12 double knockout mouse)に普通餌(Normal Diet; ND)と高脂肪食(High Fat Diet; HFD)と2オクチン酸(2OA)投与群とPBS(control)投与群の4群(A: ND+PBS, B: ND+2OA, C: HFD+PBS, D: HFD+2OA)を作成した。10Wにsacrificesして、肝臓、胆嚢、血液、小腸、便を採取して、病理組織学的評価や肝内の炎症性サイトカインやケモカインの発現、腸内細菌叢を検討した。 病理組織学的評価ではHFD投与群で脂肪肝の所見は認めなかったが、portal inflammation、lobular inflammation、bile duct damage、fibrosisはB群と比較し、D群で有意に悪化していた。特に肝線維化についてはD群は肝硬変の状態であった。肝組織中のTNFaの発現はD群がB群よりも有意に上昇していたが、他の炎症性サイトカインやケモカインの発現に違いは認めなかった。肝線維化マーカーの発現も各種qRT-PCRで確認したが、病理組織学的所見と同様にD群がB群よりも有意に上昇していた。腸内細菌叢についてもND投与とHFD投与、PBS投与と2OA投与で変化を認めていた。現在、肝線維化に関わる腸内細菌叢について16S rRNA遺伝子によるメタゲノム解析をおこなっている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HFD群で脂肪肝の所見を認めないことは想定外であったが、胆管炎所見や肝線維化所見に食餌による影響を認め、病態解析を当初の予定通り進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は研究計画に従い、2023年度に予定していた腸内細菌叢の検討や回腸粘膜のFXR 関連因子などの検討を予定通り行っていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該助成金と翌年度助成金を合算して、当初の予定通り2023年度の研究計画を進めていく。
|