研究課題/領域番号 |
22K08001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小野 尚子 北海道大学, 大学病院, 准教授 (60431376)
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研究分担者 |
大西 俊介 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (10443475)
黒川 孝幸 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (40451439)
大野 正芳 北海道大学, 医学研究院, 助教 (90845322)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 食道ESD / ハイドロゲル / エクソソーム / 細胞外小胞 |
研究実績の概要 |
早期食道癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が急速に普及してきたが、広範囲の切除を行なうことにより術後に瘢痕狭窄を起こすため、合併症対策が非常に重要となっている。実地臨床では、術後狭窄予防として内視鏡的バルーン拡張術やステロイドの潰瘍面への局注や内服、ポリグリコール酸(PGA)シートの貼付が行われているが、いずれの治療法も、それだけで効果が十分とは言い難く、患者さんへの負担や手技の煩雑さやリスクもあるのが現状である。一方、間葉系幹細胞(Mensenchymal stem cell: MSC)は同種移植でも拒絶を受けにくい新しい再生医療ソースとして注目されているが、今回研究代表者らはMSCから分泌されるエクソソームに注目した。MSC由来エクソソームが、様々な疾患に対して抗炎症効果を示すことがわかってきており、本研究ではMSC由来エクソソームを、簡便かつ効果的にデリバリーするためにゲルを組み合わせ、内視鏡的食道粘膜下層剥離術後狭窄に対する新規治療法を開発することを目的としている。前年度はエクソソームの抽出に関して主に行っていたが、今年度は実際にブタ内視鏡治療後モデルに投与を行った。しかし、実際抽出されたエクソソームの用量は大動物であるブタに対して、不十分であることから、エクソソームではなく、細胞外小胞(以下:EV)を用いてブタに投与することとした。現在食道ESD後狭窄モデルに対して、ハイドロゲル化したEVを投与中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
エクソソームからEVに切り替えることにより、十分な用量を確保することができた。動物実験もコントロールの作成が終わり、ハイドロゲル+EVを現在投与し検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
食道ESD後狭窄モデルは完成しているため、コントロール群、従来の治療であるステロイド群に加え、EV+ハイドロゲル群を作成する。効果を検証したのち、EVがどのタイミングで取り込まれるかも、経口標識を用いて検証予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究基盤整備費を頂いたため、当該年度の使用金額を抑制することができた。次年度は動物実験を中心に予算を使用することになるが、研究成果の報告も学会活動を通して行う予定である。
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