研究課題/領域番号 |
22K08006
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
坂牧 僚 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40792289)
|
研究分担者 |
寺井 崇二 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00332809)
上村 顕也 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00579146)
阿部 寛幸 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (50880168)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 非アルコール性脂肪性肝炎 / メラノコルチン4受容体 / 肥満症 |
研究実績の概要 |
本研究は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の病態解明を目的として、新規に作成した高度肥満モデルマウスである、Maid、MC4R両遺伝子欠損マウスに対する肥満の原因解析を目的としている。 本モデルマウスは内臓脂肪組織、皮下脂肪組織の両方において白色脂肪細胞の過剰な増大を示し、それが過度の脂肪蓄積の原因であると考えられた。その過剰な脂肪蓄積にはMC4R遺伝子欠損に伴う交感神経を介したシグナルの低下が関与していると考えられた。 加えて組織における炎症の評価を行うと、過度の脂肪蓄積にも関わらず炎症性(M1)マクロファージの増加がみられず、Maid遺伝子による炎症の抑制が脂肪蓄積に寄与していると考えられた。 Maid遺伝子は腸管バリア機構に関与することが報告されており、現在そのメカニズムについて解析を継続している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肥満に至る経路の解析において、MC4R遺伝子欠損に伴う交感神経を介したシグナルの低下により過剰な脂肪蓄積が起こり、加えてマクロファージを介した内臓脂肪細胞における炎症の抑制がMC4R,Maid両遺伝子欠損マウスの高度肥満の主たる原因であると判明した。 現在はより詳細なMaid遺伝子欠損の影響を評価するため、腸管バリア機構に着目して解析を継続している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は脂肪細胞における慢性炎症の網羅的評価や、初代培養を用いた脂肪蓄積に関与する分子生物学的な評価を行うことにより、Maid遺伝子欠損による脂肪細胞での影響を解明する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
概ね予定通りに使用しており、残金は次年度の雑費として使用する予定である。
|