研究実績の概要 |
(方法)肝細胞癌切除43例の組織を蛍光多重免疫染色(OPALTM, Lymphoid panel: CD3、CD4、CD8、Foxp3, DAPI, Myeloid panel: CD3, CD56, CD66b, CD20, CD11b, DAPI)を行い、腫瘍部(T)/腫瘍境界部(SC)/非癌境界部(PS)/非癌部(A)の4領域をMantraTMで撮影した。inFormTMを用いて免疫細胞シグナルを機械学習・解析し、空間的位置情報からphenoptrTMにて細胞間距離を算出した。Interaction variable(Interact. Var.; 細胞間距離が25μm以内の標的細胞割合)、Touching cell(免疫細胞間接触)数を評価した。FFPE検体より癌部/非癌部RNAを抽出しMiseqを用いて腫瘍免疫関連182遺伝子のtargeted RNAシークエンスを解析した。 (成績)肝組織の腫瘍/非腫瘍部4領域における免疫細胞11種の分布解析では、T・SC領域における制御性T細胞数が多い症例で再発率(RFS)、全生存期間(OS)が不良であった(HR=2.5, p<0.05)。免疫細胞間の空間的近傍解析ではT・SC領域においてTregとCD8T細胞または、TregとCD4T細胞のInteract Var.が高い症例、T領域におけるTregとCD4T細胞のTouching cell数が多い症例で再発率、OSが不良であった(HR=2.8, p<0.05)。癌部RNA-NGSデータのGSEAではTregとCD4TのInteract Var.が高い群でGO regulation of immune response pathwayが亢進していた。
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