研究課題/領域番号 |
22K08046
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
須田 剛生 北海道大学, 医学研究院, 講師 (20447460)
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研究分担者 |
坂本 直哉 北海道大学, 医学研究院, 教授 (10334418)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 肝線維化 / miRNA |
研究実績の概要 |
申請者が肝線維化増悪、改善との関与を明らかにしてきたmiRNA (特願2021-136724), 肝線維化進行の原因となるSenescence-associated secretory phenotyp (SASP)化した老化細胞の維持に必須遺伝子に対するsiRNAを用いた排除, 線維化進展に伴っておこる不正angiogenesis の正常化による肝線維化改善効果を、肝特異的にmiRNA,siRNAを輸送可能である肝標的型MEND、抗体製剤を用いてpre-clinical 動物モデルで検証し、現在unmet medical needs である肝線維化に対する薬剤開発の基盤形成を目指し検討を行った。更に、当該miRNA導入後の肝星細胞における発現遺伝子の網羅解析を行い、肝星細胞活性化抑制化に関連するシグナルを複数同定した。更なるin vitro の検討で、肝線維化抑制効果を有するmiRNAがWNTシグナル抑制効果を介して肝星細胞の活性化を抑制する事を明らかにした。更に、肝線維化モデルマウスを四塩化炭素を投与の最適投与条件を検討し、最適条件を明らかにした。同肝線維化モデルを用いた検討では、当該miR-MENDは、蛍光標識したmiR-MENDの血管投与にて肝組織に高率に集積する事を確認した。更に、臨床的な検討にてC型慢性肝炎症例において、SVR後の肝線維化非改善と関連する因子の解析を行い、ANG2を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肝線維化抑制効果を期待されるmiRNAについて、miRNAを肝星細胞に導入後の網羅的解析を行い、その抑制効果の機序を明らかにする事が可能であった。更に、動物実験のモデルマウスの条件設定も終了しており、おおむね研究は順調に進捗している
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今後の研究の推進方策 |
・miR A-MEND を用いた肝線維化改善効果の検証、他の抗肝線維化効果を有するmiRNA-MENDとの相乗効果の検証 miR-Aがin vitro の検討でWNT経路の抑制を介し肝線維化を抑制する事を明らかにした。当該miR MENDは、蛍光標識したmiR-MENDの血管投与にて肝組織に高率に集積する事を確認した。今語の検討では、1)miR Aのdose dependency の確認を行い至適投与量の確認、2)miR A MEND 投与肝組織中の肝線維化の定量、WNT signal 構成因子の変化、3)他抗線維化効果の確認されたmiRNA-MENDとの併用療法の効果の確認4)肝以外の臓器の毒性の確認を行い、臨床応用に向けた検討を行う。更に、同様に他肝線維化モデルとなるNASH 肝線維化モデル(choline-deficient, L-amino acid-defined, high-fat diet)におけるmiR A-MENDの肝線維化抑制効果を検討する
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験の条件設定とその決定に時間を要し、動物実験とそれに伴う費用などは次年度使用する予定とした
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