研究課題/領域番号 |
22K08057
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山本 直樹 山口大学, 教育・学生支援機構, 教授 (90448283)
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研究分担者 |
谷 健二 山口大学, 共同獣医学部, 教授 (00365420)
藤澤 浩一 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (00448284)
山本 健 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50363122)
高見 太郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60511251)
松本 俊彦 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70634723)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 再生医療 / 間葉系幹細胞 / iPS細胞 / 肝線維化 / 肝脂肪化 / 電子顕微鏡 / MAFLD |
研究実績の概要 |
iPS細胞由来間葉系幹細胞(iMSC)をGAN食モデルマウスに脾臓投与と静脈投与を行い、投与後の肝組織を浮遊切片法による高感度免疫電顕法とFEI社製の透過型電子顕微鏡Tecnai12BTと走査型電子顕微鏡Qunta3D FEG DualBeamシステムを用いて投与したiMSCの特徴と動態を解析した。また肝組織でのSirius Red染色での肝線維化評価とH-E染色とオイルレッド染色で肝脂肪沈着評価を行った。その結果、脾臓投与の方が肝線維化抑制効果と肝脂肪抑制効果を認めた。また我々が開発した肝脂肪化悪化モデル(AK3KOマウス)とMMP9発現細胞標識トランスジェニック(MMP9/LacZ-DsRed Tg)マウスにGAN特殊飼料食投与することでMAFLDモデルを作成し、肝線維化あるいは脂肪化環境下でこのモデル内部の肝細胞や星細胞等の変化を電子顕微鏡等で評価を開始し、このMAFLDモデルにiMSCを脾臓投与あるいは静脈投与し、線維化・脂肪化抑制効果の評価と動態解析を行った。またiMSCの培養液よりエクソソームを生成し、そのエクソソームをGAN特殊飼料食モデルマウスから連続静脈投与を行い、肝線維化と肝脂肪化の抑制効果を評価した。また新規開発した代謝系異常のAK5KOマウスを作成して、GFPTGからのGFP陽性骨髄細胞あるいはGFP陽性骨髄由来間葉系細胞(MSC)を投与し、肝臓内での投与した細胞の動態と機能解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
免疫電顕による様々な抗体発現解析やiMSC投与後の肝臓組織解析や各種遺伝子改変マウスを使用した環境による投与したiMSCの動態の解析等経過時間がかかる動物実験解析がメインのため、解析・結果・再現を得るのに時間がかかっている。また新型コロナ禍の蔓延のためとウクライナとロシアの戦争のため、様々な物資高騰と調達遅延等により遺伝子改変マウス搬入の遅れや実験物品等の搬入の遅れがあるが、実験は計画に沿って順調に進展している。 なっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も当初の計画通り、GAN食モデルで投与したiMSCの特徴解析を免疫電顕等で行っていきながら、脾臓投与と静脈投与との相違点やエクソソーム投与による相違点等を解析評価していく。またAK3またはAK5ノックアウトマウスやMMP9発現細胞標識トランスジェニックマウスとのかけ合わせによるMAFLDモデルを作成して、肝臓内での投与したiMSCの動態や機能解析やエクソソーム投与での重要なmiRNAを同定していく。またノックアウトマウス等様々な遺伝子改変マウスを利用して遺伝子欠乏環境下における投与したiMSCがどのような動態を示すか、どのような機能や肝臓環境改善効果を示すかとエクソソーム投与での相違点の解析を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
iMSCによる肝組織解析・免疫電顕による様々な抗体発現解析や各種遺伝子改変マウスを使用した環境による投与iMSCの動態の解析等動物実験解析がメインのため、解析・結果評価・再現の確認に時間がかかるため未使用額が生じた。 令和5年度はさらに様々な免疫電顕や蛍光二重染色等検討に必要な各種試薬や遺伝子解析アレイやmiRNAアレイやRNA-Seqやメタボローム解析等の消耗品の購入に充てる。
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