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2023 年度 実施状況報告書

抗酸化Nrf2経路賦活によるPBCの病態改善 ―ヘスペリジンを用いた新治療―

研究課題

研究課題/領域番号 22K08060
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

守屋 圭  奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (40526852)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード糖化ヘスペリジン / 抗酸化的機序 / 原発性胆汁性胆管炎
研究実績の概要

本研究の対象患者として、原発性胆汁性胆管炎患者計75名から研究参加同意を得た。その上で、jRCTに登録・承認済みの研究計画書通りに糖化ヘスペリジンの無作為割り付け投与を実施した。介入前、介入後8週、16週、24週、36週の各時点で血液検査を通常診療の範疇で行い、胆道系酵素値を含む肝機能検査結果を網羅的に収集した。
その結果、本研究のプライマリーエンドポイントである糖化ヘスペリジン(gHes) 24週継続投与後の血清γGTP値の変化率は、1000mg群で投与前相対比は中央値0.91(IQR 0.68-1.03、p=0.02)と有意に低下していたが、500mg群では同値1.00(IQR 0.86-1.11、p=0.78)と変化は認めなかった。セカンダリーエンドポイントのひとつであるγGTP値の経時的変化に関して、各群別解析では上記を除き統計学的に有意な低下を示さなかったが、対象者全体での前後比較では24週と36週時点で各々0.94(IQR 0.77-1.08)、0.91(IQR 0.77-1.08)と有意に低下していた(p=0.04、p=0.02)。なお、投与量が異なる2群間比較では上記の検討項目で有意差は認めなかった。
全観察期間中にgHesとの関連を疑う有害事象はみられなかった。
現在は余剰血清を用いて、糖化ヘスペリジンによる抗酸化的機序の解明を目的としたNrf2/Keap1経路に関わる分子の蛋白定量をELISA法を用いて遂行中である。
本研究は当初の予定通りに進捗できており、最終年度の2024年夏までにはヒト研究に関する全ての解析対象結果が判明し、同年秋には論文投稿に進められる見込みである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通りに研究は進捗しており、原発性胆汁性胆管炎患者における糖化ヘスペリジンの病態改善効果が明らかになりつつある。

今後の研究の推進方策

下記に記したとおり、国際学会での研究成果発表は実施できている。
そのため、残りの期間でこれらの研究成果に関する論文化を確実に推進していく。

次年度使用額が生じた理由

本研究の基軸となる糖化ヘスペリジンによる抗酸化的機序の解明を目的とした蛋白定量を行うために、2024年3月から5月にかけて精力的にELISA法を用いた測定を実施している。ELISAキットの購入費用請求が年度替わりを過ぎたために、次年度使用額が生じたが、最終年度で余剰なく研究資金を使用する見込みである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] A NEW APPROACH TO IMPROVE THE PATHOPHYSIOLOGY OF PRIMARY BILIARY CHOLANGITIS BY ACTIVATING THE NRF2/KEAP1 PATHWAY2024

    • 著者名/発表者名
      Kei Moriya, Yusuke Komeda, Yuya Matsuo, Daisuke Kaya, Shinsaku Nagamatsu, Masakazu Uejima, Hideki Matsuo
    • 学会等名
      DDW2024(米国消化器病学会週間)
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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