研究課題/領域番号 |
22K08078
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
正木 勉 香川大学, 医学部, 客員研究員 (30335848)
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研究分担者 |
小原 英幹 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (10612476)
岩間 久和 香川大学, 医学部, 准教授 (20398035)
仁木 敏朗 香川大学, 医学部, 助教 (40558508)
田所 智子 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (50813177)
森下 朝洋 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (60423430)
大浦 杏子 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (80834639)
谷 丈二 香川大学, 医学部, 助教 (00596075)
中原 麻衣 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (00865610)
藤田 浩二 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (50749421)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | エピガロカテキンガレート / 耐性癌細胞 / micro RNA / 抗がん作用 / 肝細胞癌 |
研究実績の概要 |
緑茶に含まれるエピガロカテキンガレート(以下:EGCG)は疫学的に癌の発生予防効果が報告されており、ある種の癌細胞の抑制効果も報告されている。しかし ながら肝癌の分子標的治療薬Lenvatinib、Sorafenib耐性癌細胞株に対するEGCGの効果は明らかではない。そのような耐性癌細胞を含む肝癌細胞株におけるEGCG の抗腫瘍効果について基礎的解析をした。 【方法】(1)昨年度Hep3Bを用いて培養液中にLenvatinib、Sorafenibの耐性株を樹立させIC50値を決定した。(2)Hep 3BのWild type, 耐性株におけるEGCGの細胞増殖抑制効果をMTT assayで解析した。(3)Lenvatinib、Sorafenib耐性肝癌細胞株Hep3Bをヌードマウスの皮下に移植し、EGCGを腹腔内に投与し、抗腫瘍効果を検討した。(3)Lenvatinib、Sorafenib耐性肝癌細胞株Hep3B をヌードマウスの皮下に移植し、EGCGとガレクチン9をEGCGに腹腔内に投与し、抗腫瘍効果を検討した。(4)Lenvatinib、Sorafenib耐性肝癌細胞株Hep3BにEGCGの抗腫瘍作用効果に関連するmicroRNAを網羅的に解析した。。 【成績】Hep3BのWild 細胞株、Lenvatinib、Sorafenibの耐性株においてEGCGの濃度依存的に細胞増殖抑制効果を示した。しかしながらガレクチン9の相乗効果は認められなかった。また、EGCG投与前後にHep3BのmicroRNAは明瞭なクラスターを形成し、EGCG投与により抗腫瘍効果に関連するmicroRNA分子を見出だした。その分子は、miR-RNA7151、miR--8063, miR-4665, miR--575, miR5787, miR-6131であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 この一年で、予定以上の研究成果を出すことができた。今は、得られた結果の部分EGCGにおける、肝癌細胞株の抑制を論文にまとめていく段階になっている。 2種類の肝癌細胞株HuH-7、Hep3Bを用いて培養液中にLenvatinib、Sorafenibの耐性株を作成できた。耐性株におけるEGCGの細胞増殖抑制効果をin vitro, in vivoで解析したところ、Hh7には、癌抑制効果見られなかったが、Hep3Bには、癌細胞抑制効果が見られた。 また、EGCG投与前後にHep3BのmicroRNAは明瞭なクラスターを形成し、EGCG投与により抗腫瘍効果に関連するmicroRNA分子を見いだした。その分子は、miR-RNA7151、miR--8063, miR-4665, miR--575, miR5787, miR-6131であった。また、ガレクチン―9との相乗効果が認められなかったが、現在ガレクチン9を抗腫瘍剤シスプラチンに変更して、研究を進めている。ほぼ、予定より、早く進行している。
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今後の研究の推進方策 |
まずはチップからHep3BのWild 細胞株、Lenvatinib、Sorafenibの耐性株においてEGCGの濃度依存的に細胞増殖抑制効果に関連する分子を見出した。これを別の方法で確認する。その分子は、miR-RNA7151、miR--8063, miR-4665, miR--575, miR5787, miR-6131であった。これらの分子が正しいことをReal time PCRで確認する。またこれら分子がEGCGでの添加によってチップで増量したことをReal time PCRで確認する。次に確認されたmicroRNAをin vivoの系でHep3BのWild 細胞株、Lenvatinib、Sorafenib耐性株のヌードマウスに移植した腫瘍の周りに注入し、EGCGと同様に抗腫瘍効果を示すかどうかを確認する。もし確認できれば、肝細胞癌に対する新しい抗腫瘍効果を持つmicroRNA となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
培養液が効率的に使用できたので、培養液の購入を予想より少なかった。 この予算は、来年度ヌードマウスの購入に使用したい。
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