研究課題/領域番号 |
22K08080
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
高田 弘一 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90398321)
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研究分担者 |
在原 洋平 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (30749586)
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | BRG1 / HCC / Immunotherapy |
研究実績の概要 |
切除不能(UR)肝細胞癌(HCC)に対する新たな治療として免疫チェックポイント阻害剤(ICI)が臨床導入されたが,UR-HCCの予後は未だ不良のままである.これまで報告されていないHCCにおけるBRG1によるWnt/βカテニンシグナル活性化ならびに癌免疫逃避機構を解析し,新規HCC治療法開発を目指している.以下に当該年度の研究成果を記載する. ① BRG1高発現群における活性化しているシグナル伝達経路解析:BRG1の発現多寡による発現変動遺伝子にどのような分子群が存在するかを解析するために,GSEAを用いたエンリッチメント解析をGSE14520-GPL3921を用いて行った.その結果,Wnt/βカテニンシグナルがエンリッチメントスコア1.82,P値 0.002,FDR Q値 0.083と有意にBRG1高発現群と正の相関を認めた.また、MITOTIC_SPINDLEもBRG1高発現群と有意な正の相関を示した. ② BRG1 K/Dによる免疫チェックポイント(IC)分子リガンド発現量変化の検討:siRNAを用いてBRG1 K/Dすることにより細胞表面に発現しているのPD-L1の発現が軽度上昇し、さらにIFNγ刺激によりcontrol siRNA導入Hep3B細胞に比較してBRG1 K/D Hep3B細胞で有意に細胞表面PD-L1発現が誘導された. ③ BRG1 K/D stable stableクローンの作成:②の結果を確認するためCRISPR-Cas9システムを用いてHep3BおよびHuh7細胞株でstabke cloneを樹立し,BRG1蛋白の発現が低下していることをWestern blot法で確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
siRNAを用いた検討で細胞表面のPD-L1発現上昇することを見出し,かつCRISPR-Cas9システムを用いてBRG1 stable K/Dクローンを2種類のHCC細胞株で樹立できているため.
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今後の研究の推進方策 |
BRG1 stable K/Dクローンを用いて,シグナル伝達経路の解析および活性化CD8+T細胞による細胞障害性の評価を行っていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、bioinformatic anakysisおよびsi-BRG1によるPD-L1の発現変化およびCRISPER-Cas9を用いたstable cloneの樹立に注力したため、予定していた予算より少額で研究を進めることが可能であった。一方、以降の研究を進めるために必須な基礎的研究成果が得られた。令和5年度は、RNA-シークエンス等を予定通り行い、BRG1のHCCにおけるシグナル伝達経路の解析を進める予定である。また、BRG1阻害剤を用いた抗HCC効果も検討予定である。
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