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2023 年度 実施状況報告書

血管炎症に対するコルヒチンの作用機序およびその情報伝達系の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K08106
研究機関琉球大学

研究代表者

三輪 宜一  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (60346773)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードコルヒチン / 血管炎症 / 白血球 / 血管内皮細胞 / COVID-19 / プロスタグランジン
研究実績の概要

これまで培養血管内皮細胞をリポポリサッカライド(Lipopolysaccharides: LPS)で刺激すると接着分子であるVCAM-1の蛋白発現が増加するが、1-10nMの低濃度コルヒチンで前処理すると、濃度依存性に接着分子であるVCAM-1の蛋白発現を抑制できることを確認している。炎症性プロスタグランジンを誘導するシクロオキシゲナーゼ(Cyclooxygenase: COX)への影響も確認したが、血管内皮細胞に恒常的に発現しているCOX-1および炎症性刺激により誘導されてくるCOX-2ともに低濃度コルヒチン投与による発現の変化は見られなかった。現在もう一つの炎症シグナル伝達系である一酸化窒素(NO)産生系に対する影響を検討しているところである。同時にVCAM-1抑制のメカニズムについても検討している。
血管内皮細胞―白血球共培養系におけるコルヒチンの作用の検討については、炎症性刺激に よる単球系細胞(THP-1細胞)の培養血管内皮細胞への接着を低濃度コルヒチンが抑制することは確認できた。この現象を説明する一つの仮説として上述のVCAM-1の蛋白発現が挙げられるが、その他の機序についても探索を続けている。
冠動脈疾患、COVID-19感染患者に対するコルヒチン投与の血中炎症性マーカーにおよぼす影響の検討については、患者のエントリーはすでに終了している。現在は回収した患者血清を用いて炎症関連のバイオマーカーの測定を共同研究先と分担して行っているところである。今後データがそろい次第、冠動脈疾患患者については心血管系イベントの発生、COVID-19感染患者については症状の悪化との関連の解析を行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

臨床研究は予定通り患者登録が終了し、データの固定・解析の段階に入っている。細胞実験についても、鹿児島大学との共同研究を開始して当初の予定通りの実験ができている。

今後の研究の推進方策

臨床研究については予定どおりデータ収集・解析を進めていき学会発表・論文化を目指す。基礎研究については、共同研究者と定期的に実験結果を考察・議論して進めていく。

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染症などの影響で研究実施体制が整わず一部予定していた基礎実験が実施ができなかったため、予定していた経費を使用できなかった。次年度に繰り越して研究を行っていく予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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