研究課題/領域番号 |
22K08111
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
佐久間 理吏 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (10530199)
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研究分担者 |
串田 良祐 東北大学, 医学系研究科, 助教 (10707003)
井上 晃男 獨協医科大学, 医学部, 特任教授 (20168454)
相馬 良一 獨協医科大学, 医学部, 助教 (20868054)
出沢 真理 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50272323)
井上 健一 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (90587974)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | SSEA-3陽性細胞 / single cell RNA-seq解析 |
研究実績の概要 |
ST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)を発症し、PCIで冠動脈責任病変を治療し得た症例を対象に、経時的に末梢血を採取、遠心分離により末梢血中の単核球分画を採取しMuse細胞数を経時的に測定している。現在50症例を登録し、先行研究(Tanaka T, Circ J 2018)ではPCI治療前、治療翌日、第7、14、21病日における観察により治療翌日での最大増加1.5倍を示していたが、本研究では第3、5病日で最大増加を示しベースラインに比べ3-4倍のMUSE細胞増加を示したことは新たな知見である。現在Muse細胞の誘導蛋白であるS1P測定も実施しておりMuse細胞との相関を確認予定である。S1Pは傷害組織から産生される警報シグナルであり、Muse細胞はS1Pに対する受容体を有していることからMuse細胞動態への影響を確認するとともに心機能修復との関連を明らかにする。 更にSTEMI患者の末梢血で増加するSSEA-3陽性細胞を、ソーターで分取して保存する。 その中から陽性細胞の多い検体を選別して、single cell RNA-seq解析を実施する。細胞単離、ライブラリー作製、配列情報取得を受託し、インフォマティクス解析を出澤らのグループと共同で行う。受託解析は、他の代替手段では獲得できない膨大なデータが得られる点、稀少な患者検体を使用する点、期待される知見の波及効果を考慮して本研究に相応と判断する。解析対象は、MUSE細胞発現ピーク時となるPCI後3日から5日の末梢血Muse細胞数が多い症例を4例用いる予定だが、まだ十分な細胞を確保した症例は1症例しかなくSTEMI患者のSEA-3陽性細胞を、ソーター分取確保中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍であったため、STEMI症例に対するPCI治療の対応が難しく、コロナ陽性症例の細胞は扱うことができないなど、課題発案時には予測していなかった状況があった。 現状STEMI症例に対するPCI治療がほぼ通常通りとなり、症例数が増えている。引き続きSTEMI患者の末梢血で増加するSSEA-3陽性細胞を、ソーターで分取して保存し、その中から陽性細胞の多い検体を選別して、single cell RNA-seq解析を実施できると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
現在Muse細胞の誘導蛋白であるS1P測定も実施しており、Muse細胞との相関を確認予定である。また新型コロナの感染症法上の位置づけについて、5月8日に「5類」に移行することとなった。現状STEMI症例に対するPCI治療がほぼ通常通りとなり、症例数が増えている。引き続きSTEMI患者の末梢血で増加するSSEA-3陽性細胞を、ソーターで分取して保存し、その中から陽性細胞の多い検体を選別して、single cell RNA-seq解析を実施できると思われる。
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