研究課題/領域番号 |
22K08123
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
加藤 勝洋 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10841950)
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研究分担者 |
足立 史郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60782430)
室原 豊明 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (90299503)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 肺高血圧症 / 血管内皮細胞 |
研究実績の概要 |
肺高血圧症は、全身の血管網ではなく主病変部である肺細動脈局所のシグナル異常が発端とした疾患であることが予測され、現在までに行なった網羅的スクリーニングの結果、肺細動脈内皮細胞特異的に発現する分子A、分子Bを見出してきた。これらの分子の解析を通して、肺高血圧症の疾患制御機構の解明や創薬を含む治療戦略の開発、早期診断のためのバイオマーカーの開発につなげることを目的としている。現時点で以下のような実験の結果を得ている。 1、培養肺動脈内皮細胞を用いて分子A及び分子BをsiRNAを用いたノックダウンやレンチウイルスを用いた過剰発現を行い、BMP/TGF-β/Smad、MAPキナーゼ、PI3K/Aktなどの細胞内シグナルの検証を行なっている。また、低酸素曝露した際の分子A及び分子Bの発現変化について検証した。 2、分子Aまたは分子Bに対する遺伝子欠損マウスの作成を進めた。分子Aに対する遺伝子欠損マウスに関して、解析を進めている。分子Aまたは分子Bをマウス個体で過剰発現させるためのアデノ随伴ウイルスの作成を進めている。 3、肺高血圧症の病態解明およびバイオマーカーの可能性を検証するために、肺高血圧症患者に対して右心カテーテル検査を実施する際に血液検体の採取を行なっている。肺動脈の前後で血中濃度を比較検討するために、肺動脈と左心室より血液検体の採取・保存している。現在までに31人の肺高血圧症患者より血液検体の採取を完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、培養肺動脈内皮細胞を用いた分子A及び分子Bの機能について評価を進めている。さらに個体での遺伝子の影響を評価するために、分子Aまたは分子Bに対する遺伝子欠損マウスの開発を進めており、分子Aに関しては解析を開始している。また、肺高血圧患者血液検体の収集も進めており、これらの到達度は当初の研究計画の予定を考えると順調であると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、培養肺動脈内皮細胞を用いて分子A及び分子Bを中心とした細胞内シグナル伝達への修飾作用について評価を進めるとともに平滑筋細胞や線維芽細胞への影響を評価する。作製した遺伝子欠損マウスの個体での解析を進める。引き続き肺高血圧症患者の血液検体の収集を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の蔓延のために物品の欠品や納入が遅れ、研究計画が全体としてずれ込んだ。分子A及び分子Bの機能に関して、繊細な解析を行う必要があり再現性の実験が必要である。以上のことから研究費の一部に関して次年度使用額が生じた。 抗体、細胞培養試薬、PCR試薬、siRNA試薬を購入予定
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