研究課題
急性心筋梗塞をはじめとする冠動脈疾患の病態にも炎症が深く関わっており、免疫チェックポイント分子が何らかの役割を担っている可能性があるが未だ解明されていない。Lymphocyte Activation Gene-3 (LAG-3)はprogrammed cell death-1 (PD-1), Cytotoxic T-lymphocyte associated antigen-4 (CTLA-4)に次ぐ第3の免疫チェックポイント分子として注目されている。本研究では熊本大学病院に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)目的で入院となった冠動脈疾患連続症例を対象に可溶性LAG-3(sLAG-3)をELISA法で測定し、冠動脈疾患の重症度や予後、各種バイオマーカーとの関連を調べている。2022年度は380例の測定が終了した。CK, 高感度トロポニンT, 高感度C反応性蛋白(hsCRP)と一般的な生化学検査、ヘモグラムについては院内中央検査室において測定しデータの集積を行なっている。また、冠動脈血管内超音波(intravascular ultrasound; IVUS)や光干渉断層法(optical coher ence tomography; OCT)で評価した冠動脈プラーク容積や、不安定プラークの要素として知られているプラークの線維性皮膜の厚さ、マクロフ ァージ集簇についてもデータを収集している。炎症指標[hsCRP、ペントラキシン3 (PTX3)、各種炎症性サイトカイン(T NF-α、 IFN-γ、 IL-1β、IL-6、 IL-10)については、凍結保存血清を用いて今後まとめて測定・解析する予定である。
3: やや遅れている
患者リクルート、検体測定は予定通り進んでいるが、フローサイトメトリーの実験系が予定どおり進まず主にELISA法による測定・解析を中心に行なっている。
引き続き患者リクルート、検体測定、データ収集を継続していく。検体測定は引き続きELISA法を中心に行なっていく予定であるが、フローサイトメトリーについても引き続き検証を続けていく。
ELISA kitや試薬は海外からの輸入に頼っているが、新型コロナウイルス感染症やロシアのウクライナ侵攻などにより、輸送に遅れなど生じたため次年度使用額生じた。次年度も引き続き試薬やELISAキットなどに使用する予定である。
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