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2023 年度 実施状況報告書

脂肪滴形成促進による高脂質食の心保護作用の解明;Lipin1の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K08174
研究機関東京大学

研究代表者

東口 治弘  東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (40436358)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード脂質代謝 / 脂肪滴 / Lipin / 心筋梗塞
研究実績の概要

心不全は心臓のポンプ機能の低下により全身に必要量の血液を供給できない状態であり、その際の心筋細胞では主なエネルギー産生経路が脂質代謝から糖代謝に移行する。糖代謝は脂質代謝と比較しエネルギー産生量が少ないため、不全心ではエネルギー産生量が低下しエネルギー不足がさらに心機能低下を招いている。そのためエネルギー産生量を増加させ、心筋細胞に必要量を供給することが心機能を改善する可能性がある。高脂質食は脂質代謝を再活性化させ、エネルギー産生量を増加させると報告があるが、一方で脂質が心筋細胞毒性をもたらすとの報告もある。本研究では細胞内脂肪滴産生に重要な因子であるLipin1に注目し、Lipin1が脂肪酸を脂肪滴に取り込むことで毒性を抑制するとともに、必要に応じたエネルギー産生調節を行い得るかを検討する。
今年度、Lipin1を心臓特異的に発現を欠損させたマウス (cKOマウス)に心筋梗塞を作成し、野生型マウスと比較した。結果、cKOマウスでは野生型マウスと比較し、心機能が悪化した。また心筋内脂肪滴と脂肪酸の低下を認めた。さらに炎症反応を検討したところ、CD45陽性白血球の心臓内への浸潤や炎症性サイトカイン発現は、cKOマウスで増加していた。Lipin1過剰発現マウスを用いた結果と合わせ考えると、Lipin1が心筋内の脂肪酸代謝を維持することで心筋梗塞時の炎症を軽減し心臓リモデリングを抑制していると考える。現在は、結果を公表するために論文作成を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Lipin1過剰発現マウスとLipin1心臓特異的欠損マウスを用いた研究が順調に行え、現在は論文作成中であり、経過は順調である。

今後の研究の推進方策

現在の結果をまとめ、論文として報告する。

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公開日: 2024-12-25  

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