研究課題/領域番号 |
22K08176
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
古藤田 眞和 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (30530133)
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研究分担者 |
石山 忠彦 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (90293448)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | マクロファージ / オートファジー / 大動脈瘤 |
研究実績の概要 |
所有しているAtg5f/f LysMCreマウスおよびAtg5f/fマウスを交雑して遺伝子型判定を行い、実験に使用するAtg5f/f LysMCreマウスおよびコントロール同胞マウス(Atg5f/fマウス)を作成した。Atg5f/f LysMCreマウスはマクロファージなどのミエロイド系細胞でオートファジーが欠損したマウスである。まず初めにこれらのマウスよりマクロファージを誘導採取し、ウェスタンブロットおよびLC3アッセイによりオートファジー不全を確認した。4週齢前後のマウスを用いて、β-アミノプロピオニトリル (タンパク質リシン-6-オキシダーゼ阻害薬)の経口投与による胸部大動脈瘤モデルを作製した。また、9~12週齢のマウスを用いて塩化カルシウムの腹部大動脈周囲投与による腹部大動脈瘤モデルを作製した。胸部大動脈瘤モデルでは大動脈周囲の炎症は弱く、その発生率にAtg5f/f LysMCreマウスおよびコントロール同胞マウスで有意差はなかった。塩化カルシウムの傍大動脈投与は明確な炎症を惹起し、Atg5f/f LysMCreマウスで有意に形成率が高かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
塩化カルシウムの傍大動脈投与は明確な炎症を惹起し、Atg5f/f LysMCreマウスで有意に形成率が高く、想定した結果が得られた。次の実験(組織学的検証や分子細胞学的検証)へ進む段階に到達している。
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今後の研究の推進方策 |
免疫組織染色によりマクロファージの局在・浸潤や分化(M1: CD11c CD68、M2: CD206 CD68)および好中球(Ly6G)の局在・浸潤を評価する。オートファジーの評価も併せて行う。また、qPCRおよびWestern blotなどにより各種サイトカイン・ケモカイン(IL1β、TNFα、IL6、IL10、IL18、MCP1、MMP2、MMP9、CCL2、CCL5等)の発現・産生を定量評価する。また、オートファジー促進剤(ursolic acid)を用いて胸腹部大動脈瘤の抑制作用を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度では疾患モデルを用いた主要評価項目の検証を優先し、組織学的評価を次年度に行う方針としたため。次年度使用額は組織学的評価のための費用として次年度に使用する予定である。
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