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2022 年度 実施状況報告書

「鉄」を標的とした心不全病態解明と新規治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 22K08187
研究機関熊本大学

研究代表者

宮田 敬士  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 客員教授 (50398228)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード心不全 / 鉄代謝
研究実績の概要

個体レベルの心筋細胞内の鉄動態制御と生理的な心機能恒常性維持機構とその制御の変容による心不全病態発症機構についての分子レベルを明らかにするため、種々の心筋特異的鉄関連遺伝子改変マウスを用いて解析を進めた。若年齢の雄の心筋細胞内の二価鉄増加を認める遺伝子改変マウスの心組織を用いて、非ヘム鉄の二価鉄、三価鉄の動態変化について定量解析を行い、野生型と比べ、二価鉄の明らかな増加を認めたが、三価鉄の差異を認めなかった。また、ヘム鉄関連の解析としてミオグロビン、ヘム生合成関連遺伝子の発現解析を進めた。心筋細胞内二価鉄増加に伴う心筋収縮亢進の分子機構を解明ために、心筋細胞内二価鉄増加マウスの心組織を用いてフラックスアナライザーによるミトコンドリア呼吸機能解析を進めた。また、心筋細胞内のミトコンドリアは、筋細胞膜下ミトコンドリアと筋線維間ミトコンドリアの局在を認めるため、それぞれのミトコンドリアを抽出後し、局在ごとの解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は予定通り遺伝子改変マウスを解析し結果が得られた。おおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

1)心筋細胞内二価鉄増加に伴う心筋収縮における分子機構解明:心筋細胞内二価鉄増加マウスを用いて、電子顕微鏡によるミトコンドリア形態を含めた解析とヘム鉄測定を行い、心筋収縮亢進のメカニズム解明を進める。また、単離心筋細胞を用いて、細胞収縮関連タンパクやCaチャンネル関連遺伝子を含めた、Caハンドリングをさらに検討する。
2)ヒトサンプルを用いた鉄センサー関連遺伝子の発現解析の検討:上記により同定された新規シグナル経路や新規鉄動態関連因子について、ヒト心臓組織における発現解析のため、当大学医学部細胞病理学講座に保管されている剖検50症例の心組織を対象に、免疫組織学的解析、心組織切片のRNA抽出によるqRT-PCR解析を実施し検討を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Tumor cell-derived ANGPTL2 promotes β-catenin-driven intestinal tumorigenesis2022

    • 著者名/発表者名
      Horiguchi Haruki、Kadomatsu Tsuyoshi、Yumoto Shinsei、Masuda Takeshi、Miyata Keishi、Yamamura Shuji、Sato Michio、Morinaga Jun、Ohtsuki Sumio、Baba Hideo、Moroishi Toshiro、Oike Yuichi
    • 雑誌名

      Oncogene

      巻: 41 ページ: 4028~4041

    • DOI

      10.1038/s41388-022-02405-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A circulating subset of iNKT cells mediates antitumor and antiviral immunity2022

    • 著者名/発表者名
      Cui Guangwei、Shimba Akihiro、Jin Jianshi、Miyata Keishi、Ikuta Koichi et al.
    • 雑誌名

      Science Immunology

      巻: 7 ページ: 8760

    • DOI

      10.1126/sciimmunol.abj8760

    • 査読あり
  • [雑誌論文] SIRT7 suppresses energy expenditure and thermogenesis by regulating brown adipose tissue functions in mice2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshizawa Tatsuya、Sato Yoshifumi、Sobuz Shihab U.、Mizumoto Tomoya、Tsuyama Tomonori、Karim Md. Fazlul、Miyata Keishi、Tasaki Masayoshi、Yamazaki Masaya、Kariba Yuichi、Araki Norie、Araki Eiichi、Kajimura Shingo、Oike Yuichi、Braun Thomas、Bober Eva、Auwerx Johan、Yamagata Kazuya
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 13 ページ: 7439

    • DOI

      10.1038/s41467-022-35219-z

    • 査読あり

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公開日: 2023-12-25  

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