研究課題/領域番号 |
22K08199
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
大倉 宏之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30425136)
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研究分担者 |
原 武史 岐阜大学, 工学部, 教授 (10283285)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | AI / 頸静脈波 / 心不全 |
研究実績の概要 |
3Dビデオカメラによる頸静脈拍動の評価を目的として以下の検討を行った。(1).3Dビデオカメラからの距離計測の妥当性を検討するために深部計測モデルを使用して、3Dビデオカメラによる距離計測を行った。(2).次に頸静脈拍動モデルを用いて、拍動する物体の深度とその経時的変化を計測可能かどうかの検討を行った。(3).3Dビデオカメラにより、人体(健常例)における頸静脈拍動の記録をおこない頸静脈波をリモートで記録可能かどうかを検証した。その結果、3Dビデオカメラを用いて頸静脈拍動の可視化が可能であることが示された。 (4). トレーニングセット:対象例において3Dビデオカメラを用いて、頸部の動画像を記録した。心エコー図法により中心静脈圧上昇の有無(Class 0 or Class 1)をConvolutional Neural Network(CNN)により学習させた。心エコー図法での中心静脈圧上昇の診断は、ASEのガイドライン(J Am Soc Echocardiogr. 2015 Jan;28(1):1-39.e14.)に基づいて行い、下大静脈径 >21 mm、呼吸性変動<50%のものを中心静脈圧上昇と診断した。 バリデーションセット:ついで、別の心エコー図施行例を対象に、トレーニングで得られた深層学習の妥当性を検証する予定である。 (5).すでに得られた3Dビデオカメラで記録した動画像から、頸静脈拍動図を作成し、心エコー図によりえられた下大静脈波形や肝静脈波形との対比が、現在進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
心不全患者における検討を進めることができなかった。その理由は新型コロナウイルス感染の流行に伴って、患者との接触を最小限にとどめる必要があったためである。
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今後の研究の推進方策 |
モデル実験と健常例における検討から今度は心不全患者の頸静脈拍動を記録し、その結果を右心カテーテル検査と比較する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
心エコー図装置、静脈可視化装置の購入がまだ行われていないこと、学会出張がなかったことにより、本年度の使用額が予定より少なくなった。次年度にこれらの装置を購入するとともに、学会発表を行うための出張費が必要となる見込みである。
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