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2022 年度 実施状況報告書

多元的質量分析による日本人に特異的なスタチン残余リスクと生成機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K08214
研究機関自治医科大学

研究代表者

木村 夏花  自治医科大学, 医学部, リサーチ・レジデント (90884453)

研究分担者 相澤 健一  自治医科大学, 医学部, 准教授 (70436484)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードスタチン / 残余リスク / 質量分析
研究実績の概要

これまで複数の介入研究により、スタチンによる脂質低下療法の心血管イベント抑制効果が報告されているが、その効果は20~40%程度にとどまる。これがスタチンの残余リスクであるが、高感度CRP高値、高非HDL血症、冠動脈カルシウムスコアなど様々な指標が検討されてきたが、心血管イベント発症予測能は十分とはいえない。その把握のためには脂質異常症をはじめとした古典的リスク因子とは独立した心血管イベントのバイオマーカーが必要である。本研究では革新的オミクス解析であるメタボローム解析を活用し、心血管疾患の病態関連蛋白質の新規発見ないし病態メカニズムを解明する。さらに、バイオマーカーとしての臨床応用を図る。
解析には革新的オミクス解析であるメタボローム分析を活用し、心血管疾患の病態関連蛋白質の新規発見ないし病態メカニズムの解明、さらに臨床応用(バイオマーカーとしての診断や治療の有効性・安全性評価)を目指す。ひいては、心血管イベントに対するコレステロールと血清メタボライト濃度との相関、脂質低下の影響および人種差について明らかにし、脂質異常症の心血管イベントにおける残余リスクの克服を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、日本人の大規模コホートを対象とした初めてとなる各種メタボライト値と心血管イベント発症との関連について、5年間における経時変化を評価する。初年度は各種メタボライトの分析法を検討し、その条件を明らかにした。今後、その分析手法を用いて、臨床サンプルの分析を実施する。また、脂質低下療法がそれらメタボライト値を低下させ、イベント発症を抑制するか解明する計画であり、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

国内最大規模の介入コホート研究である大規模多施設共同臨床研究を利用する。日本人の大規模コホートを対象とした初めてとなる、メタボライト値と心血管イベント発症との関連について、5年間における経時変化を評価する。また、脂質低下療法がTMAO値を低下させ、イベント発症を抑制するか解明する。
慢性冠動脈疾患患者を対象とした高用量スタチンによる心血管イベントの二次予防効果を明らかにした国内最大のRCTを用いる。日本人対象とし、通常脂質低下療法群(スタチン通常用量)または積極的脂質低下療法群(スタチン高容量)にランダムに割り付け、高用量スタチン投与による心血管イベント発症抑制効果を検討した試験である。本研究はこの血液検体を使用し、心血管イベントのリスク因子として期待される各種メタボライトの血中濃度を測定し、心血管イベントとの相関を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

研究初年度は本研究実施に必要な三連四重極型液体クロマトグラフィータンデム質量分析の条件検討等を行ったため、本研究経費は使用しなかった。次年度以降、予定した実験ないし分析に、経費を繰り越して使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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