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2023 年度 実施状況報告書

新規炎症収束性脂質メディエーターRsolvinE群はARDSの治療薬となり得るか

研究課題

研究課題/領域番号 22K08227
研究機関群馬大学

研究代表者

齋藤 悠  群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (80447268)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード脂質メディエーター / 気道炎症
研究実績の概要

オメガ3系脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)から派生する新規炎症収束性脂質メディエーター(Specialized pro-resolving lipid mediators; SPMs)のうち、Resolvin E (RvE) 群にはE1(RvE1)、E2(RvE2)、E3(RvE3)が含まれ、代表者らは 予備実験から新たにRvE3がLPS刺激によるマクロファージの炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子α(TNF-α)産生を抑制することを見出した。RvE3はTNF-αの過剰産生が病態に深く関与する急性呼吸窮迫症候群(acuterespiratory distress syndrome: ARDS )にも効果を発揮することが予想される。そこで本研究では、RvE群の肺胞マクロファージからの炎症性サイトカインやケモカイン産生抑制を介した、マウスARDSモデルの抗炎症効果を解析する。さらに肺胞マクロファージ内のシグナル伝達機構や受容体を解明することで、有効な薬物療法がなく、致死率が高いARDSの新規予防薬、治療薬の創薬研究に挑戦する。
創薬の対象となるには、生体内での安定性、構造的安定性が重要になってくるが、RvE3は構造内に二重結合を多く含むため、不安定であるため、創薬やバイオツールとしての利用は困難である。そこで、より構造的に安定性を得られる RvE3誘導体を作成した。RvE3誘導体は野生型RvE3と同様に抗炎症性効果を得ると同時に、代謝安定性試験では誘導体は、RvE3よりも代謝的に安定していることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ARDSモデルの解析に遅れが出ている。組織学的解析が特に遅れている。

今後の研究の推進方策

in vivo実験の組織学的解析を進めていく。特に、炎症の程度について、定量的方法を用いて検討することを進めていく。
in vitro実験では細胞株を用いた解析は進められているが、マウス由来の細胞を用いた解析に遅れが出ている。炎症性サイトカイン産生にResolvinがどのように関与しているかを解析するために、マウス骨髄細胞を用いた細胞実験系の確立を目指す。

次年度使用額が生じた理由

研究が遅延しているため、次年度使用額が生じている。次年度はin vitro実験を中心に進め、受容体、シグナル伝達についても解析していく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 新規炎症収束性脂質メディエーターResolvinの気道炎症における役割2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤 悠、 久田剛志
    • 学会等名
      第72回日本アレルギー学会学術大会
  • [学会発表] 炎症収束性脂質メディエーターResolvin E3(RvE3)誘導体の抗炎症性効果2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤 悠、齋藤 従道、矢冨 正清、鶴巻 寛朗、古賀 康彦、佐藤 真季子、武藤壮平、宇野翔吾、砂長 則明、前野 敏孝、石塚 全、福田 隼、周東 智、久田 剛志
    • 学会等名
      第72回日本アレルギー学会学術大会
  • [学会発表] Resolvin E3 (RvE3) 誘導体の抗炎症性効果の解析2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤 悠、矢冨 正清、齋藤 従道、古賀 康彦、鶴巻 寛朗、佐藤 真季子、藤原 広一、福田 隼、砂長 則明、前野 敏孝、石塚 全、周東 智、久田 剛志
    • 学会等名
      第63回日本呼吸器学会学術講演会
  • [図書] アレルギーの臨床2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤(青木)悠, 齋藤従道, 久田剛志
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      北隆館

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公開日: 2024-12-25  

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