研究課題/領域番号 |
22K08234
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
千葉 弘文 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40347175)
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研究分担者 |
齋藤 充史 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00768939)
黒沼 幸治 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (40563250)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 特発性肺線維症 / マイクロバイオーム / 自然免疫 / 急性増悪 / 肺サーファクタント蛋白質 |
研究実績の概要 |
本研究は、1) 肺マイクロバイオームのディスバイオシス、2) 自然免疫応答異常、3) 線維芽細胞の遊走・増殖、これらの病態を結びつけるIPFの新たな病態仮説の検証を目標としている。 IPF患者のBALFを用いたマイクロバイオーム解析と患者特徴や予後との関連の検討。肺線維症モデルマウスを用いたマイクロバイオームの検討。肺線維症モデルマウスから単離したマクロファージ等を用い、PAMPsに対する反応変化等のvitroでの解析。肺内自然免疫に重要な役割を担うSP-Aノックアウトマウスでのマイクロバイオーム解析等を計画している。 これまでの進捗状況として、IPF患者のBALF中のDNAを抽出し、細菌の16S rRNAを増幅・精製し、Ion Torrentのプラットフォームを用いて、菌種の同定を行った。結果、線維化の進行(呼吸機能検査でFVCの有意な低下)および急性増悪を含む早期死亡した患者の肺マイクロバイオームの特徴として、Firmicutes門、なかでもStreptococcaceae科の増加がみられる症例でFVCの低下、すなわち疾患の進行が認められ、早期死亡群では、マイクロバイオームの多様性の低下が示された。 我々は、線維症モデルを作成し、肺マイクロバイオームの解析を行った。結果、正常なマウスと比較して、マイクロバイオームの多様性が失われ、フィルミクテス門の増殖とプロティオバクテリア門の減少という、IPF患者と極めて近似したディスバイオシスが起きていることを確認した。その後、肺内の自然免疫において重要な役割を担う、SP-Aをノックアウトしたマウスでは、野生種と比べマイクロバイオームに変容が生じることが分かった。さらに詳細を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IPF患者のBALF解析および肺線維症マウスモデルの作成、SP-Aノックアウトマウスのマイクロバイオーム検討は順調に進んでいる。 肺線維症モデル肺胞マクロファージを単離し、PAMPsで刺激し活性化の検討する実験では、正常マウスとの有意な違いが認められていない。実験系の再検討、および代替実験が必要と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
肺線維症モデルマウスから単離したマクロファージを用いたvitro実験について、実験方法の検討及び修正を加え、1) 肺マイクロバイオームのディスバイオシス、2) 自然免疫応答異常、3) 線維芽細胞の遊走・増殖を結びつけるIPFの新たな病態仮説の検証を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
モデルマウスからの単離細胞を用いた実験が予想と違う結果となり、それ以降の実験の進捗ががなかったため、次年度使用額が生じた。実験方法の再検討を行い実験を進め前年度分も含め使用する。
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