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2022 年度 実施状況報告書

不眠を伴う睡眠時無呼吸症候群(COMISA)のモデル動物作成と解析による病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K08246
研究機関愛知医科大学

研究代表者

増渕 悟  愛知医科大学, 医学部, 教授 (80362771)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードアデノシン
研究実績の概要

日中の低酸素(Daytime Hypoxia: DHx)により夜間活動期の活動量の低下と活動終了期での上昇応(Down and up response: DUR)がみられる。これは脳内アデノシンの低下を伴うことからアデノシン阻害によるリズム発振を考え無周期Cry1,Cry2ダブルノックアウトマウス(CryDKO)にカフェインを慢性投与したところ概半日、概日、さらに長い周期の活動リズムがみられた(bioRxiv https://doi.org/10.1101/2022.08.16.503987)。リズム周期は経時的に変化したが概半日から概日、または逆への変化は素早く起こっていた。概半日周期を再現する目的で6h:6h、7h7hの人工的明暗周期下でカフェイン投与を開始して数週間後CryDKOを恒常暗に移行させたが安定した概半日リズムの再現は見られなかった。一方様々な明暗周期下でカフェイン投与を続けると複数の明暗周期を跨ぐ周期的活動を示す個体がみられた。このことはリズムが発生して明暗周期に同調していることを示している。また、野生型c57bl/6jマウスにカフェインを慢性投与したところすでに報告されている活動周期の延長がみられたが、それに加えてカフェイン投与を中止しても3週間以上周期が戻らない(短縮しない)現象がみられた(Authorea DOI:10.22541/au.168154926.62049890/v1)。長期的な生物リズム周期への影響は光環境によるものが知られており、履歴現象(after effect)と言われている。カフェインによる周期延長の継続は光以外の因子による履歴現象であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初、DHxによる活動量のDURはアデノシン低下を介した概半日リズムが原因と考えられたがカフェインにより様々な周期のリズムが発振されるためアデノシン以外の因子も関与している可能性があることが分かった。

今後の研究の推進方策

DHxによる活動量のDURの解析からカフェインによる行動リズム発振が見いだされたがアデノシンがDURに関連がある可能性に加えほかの因子が関与している可能性も考えて研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

当初、DHxによる活動量のDURはアデノシン低下を介した概半日リズムが原因と考えられたが概半日リズム解析のための条件検討の段階でアデノシン以外の因子が関与している可能性もあることが明らかとなったため。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Tamoxifen Activates Dormant Primordial Follicles in Mouse Ovaries.2022

    • 著者名/発表者名
      Wei W, Komatsu K, Osuka S, Murase T, Bayasula B, Nakanishi N, Nakamura T, Goto M, Iwase A, Masubuchi S, Kajiyama H.
    • 雑誌名

      Reprod Sci.

      巻: 29 ページ: 3404-3412

    • DOI

      10.1007/s43032-022-00896-0.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Suppression of trabecular meshwork phagocytosis by norepinephrine is associated with nocturnal increase in intraocular pressure in mice2022

    • 著者名/発表者名
      Ikegami K, Masubuchi S.
    • 雑誌名

      Commun Biol.

      巻: 8 ページ: 339

    • DOI

      10.1038/s42003-022-03295-y.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Protein kinase C-mediated phosphorylation of transient receptor potential melastatin type 2 Thr738 counteracts the effect of cytosolic Ca2+ and elevates the temperature threshold2022

    • 著者名/発表者名
      Kashio M, Masubuchi S, Tominaga M.
    • 雑誌名

      J Physiol.

      巻: 600 ページ: 4287-4302

    • DOI

      10.1113/JP283350.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] An animal model of insomnia with sleep apnea2022

    • 著者名/発表者名
      Satoru Masubuchi
    • 学会等名
      Sapporo Symposium on BIOLOGICAL RHYTHM 2022
    • 国際学会
  • [学会発表] カフェインは時計遺伝子欠損マウスに活動リズムを生じる2022

    • 著者名/発表者名
      増渕悟、矢野多佳子、小松紘司、池上啓介、藤堂剛、中村渉
    • 学会等名
      第29回日本時間生物学会学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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