研究課題/領域番号 |
22K08248
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
星野 友昭 久留米大学, 医学部, 教授 (00261066)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | MDA5 / 皮膚筋炎 / 肺障害 / 自己抗体 |
研究実績の概要 |
皮膚筋炎は自己免疫の異常により皮膚や筋肉に障害される炎症性筋疾患である。皮膚や筋肉以外に肺病変や悪性腫瘍の合併を伴う。近年、皮膚筋炎の病型分類には疾患特異的な自己抗体よって病型分類が行われる。間質性肺炎を合併する疾患特異的自己抗体としては抗melanoma differentiation-associated gene 5(MDA5) 抗体があり、無症候性筋炎と呼ばれる筋炎が乏しく、予後不良なrapidly progressive interstitial lung disease(RP-ILD)を発症する。パターン認識受容体であるMDA5は、細胞質内でウイルスRNAを認識し、mitochondrial antiviral signaling protein(MAVS)と結合することにより、TBK1、IRF3を介してType 1 interferon (IFN) 遺伝子へのシグナル伝達が起こる。また皮膚筋炎における間質性肺炎急性増悪の症例群、間質性肺炎群、健常者においては、その間質性肺炎急性増悪(Gスコア)とIFNγ、IL-1β、IL-12のサイトカインに正の相関性があり、急性増悪群では肺門部リンパ節においてはIFNγの発現上昇を認めた報告もされている。しかし、抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の病態自体は不明な点が多く抗MDA5抗体がどのように病態に寄与しているかは解明されていない。致死的な抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎に合併する間質性肺炎の病態解析は急務である。申請者らは抗MDA5自己抗体陽性多発性筋炎・皮膚筋炎患者の肺に免疫グロブリン、補体の免疫複合体が出現し肺障害を発症することを最近報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者らは抗MDA5自己抗体陽性多発性筋炎・皮膚筋炎患者の肺に免疫グロブリン、補体の免疫複合体が出現し肺障害を発症することを最近報告した。ヒトMDA5蛋白過剰発現マウスを作製し、ウサギ抗抗MDA5ポリクロナール抗体血を投与し肺傷害モデルマウスを樹立した。この抗MDA5抗体による肺傷害モデルマウスでもイムノグロブリンと補体の発現が見られた。(Zaizen Y, et al. Respir Res. 2023;24(1):86)
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今後の研究の推進方策 |
ヒトMDA5蛋白過剰発現マウスを作製し、ウサギ抗抗MDA5ポリクロナール抗体血を投与し肺傷害モデルマウスを樹立した。この抗MDA5抗体による肺傷害モデルマウスでもイムノグロブリンと補体の発現が見られ、その病理発生にIII型アレルギーが関与している可能性がある。 現在、補体と肺障害の関与を検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究がコロナウイルス感染のため遅れた。そのため、次年度に繰り越すとなった。
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