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2022 年度 実施状況報告書

肺MAC症に関わる気道上皮細胞におけるエピジェネティック修飾の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K08249
研究機関公益財団法人結核予防会 結核研究所

研究代表者

宮林 亜希子  公益財団法人結核予防会 結核研究所, 生体防御部 病理科, 研究員 (40834726)

研究分担者 慶長 直人  公益財団法人結核予防会 結核研究所, 副所長, 副所長 (80332386)
土方 美奈子  公益財団法人結核予防会 結核研究所, 生体防御部, 部長 (90332387)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードエストロゲン / 気道上皮 / エピジェネティック
研究実績の概要

非結核性抗酸菌症、特に肺のMycobacterium avium complex感染症 (肺MAC症) は近年わが国の結核罹患率を上回っており、また、多剤併用による2年以上の治療によっても難治で、環境中の弱毒菌である抗酸菌が感受性のある中高年女性に定着して慢性気道炎症を起こす宿主側の分子メカニズムの解明が求められている。
本研究では、環境中の抗酸菌が、感受性のある中高年女性に定着して肺MAC症となる宿主側の分子メカニズムに、エピジェネティック修飾による遺伝子発現の変化が関わることを考え、肺MAC症患者群及び対照群より得られた気道上皮細胞 (手術検体) を材料としてゲノムワイドエピゲノム解析 (DNAメチル化解析) を行い、次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子発現解析とあわせ、肺MAC症の背景にある気道粘膜の免疫・炎症応答性、粘膜防御能の脆弱性に関わる遺伝子を明らかにすることを目指す。
本年度は、肺MAC症(症例)群、非慢性気道感染症(対照)群から各群4例の検体を選択し(全て女性、年齢マッチさせたもの)、我々が保有している手術検体から単離培養されたヒト初代培養気道上皮細胞から抽出したゲノムDNAを材料として、Illumina社Infinium MethylationEPIC BeadChipを使用したゲノムワイドDNAメチル化解析を行い、候補メチル化領域 differentially methylated regions (DMRs) の探索を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

肺MAC症(症例)群、非慢性気道感染症(対照)群から最も適切な検体を選択し、我々が凍結保存している手術検体由来のヒト初代培養気道上皮細胞を融解・再培養後にDNAを抽出する当初の予定であった。しかし、選択症例について、既に抽出してディープフリーザーに凍結保存されていたゲノムDNAの品質と量が網羅的DNAメチル化解析材料に必要な基準をクリアして良好であったため、継代を重ねて培養するよりは、継代回数の少ない保存DNAを解析に使用することとした。
肺MAC症(症例)群、非慢性気道感染症(対照)群 (各群4例)の上記ゲノムDNAを材料として、Illumina社Infinium MethylationEPIC BeadChipを使用したゲノムワイドDNAメチル化解析を行い、症例群と対照群の比較で、候補メチル化領域differentially methylated regions (DMRs) を探索した。

今後の研究の推進方策

本年度実施したIllumina社 Infinium MethylationEPIC BeadChipを使用したゲノムワイドDNAメチル化解析結果から、さらに症例群と対照群の比較を詳細に検討し、候補メチル化領域 differentially methylated regions (DMRs) を探索する。
また、網羅遺伝子発現解析によって症例群と対照群の比較で発現差のある遺伝子 differentially expressed genes (DEGs) と、ゲノムワイドDNAメチル化解析の結果と合わせた解析を行い、疾患群に特徴的なエピジェネティック修飾を受けている候補遺伝子を抽出する。

次年度使用額が生じた理由

解析費用の上昇などのため、今年度の交付研究費内で可能な、当初の予定より症例数を減らした解析を実施したため、当初の解析予算との差額が生じた。さらに詳細な候補メチル化領域の探索を行った上で、次年度に症例追加が必要かどうか判断し、必要と考えられる場合はゲノムワイド解析を追加実施する。候補メチル化領域が得られていると判断されれば、mRNA発現解析を手厚く行うことに使用する。

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公開日: 2023-12-25  

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