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2022 年度 実施状況報告書

PD-L1陽性エクソソームを制御するCMTM分子群の解明と抗腫瘍免疫への展開

研究課題

研究課題/領域番号 22K08263
研究機関岩手医科大学

研究代表者

前門戸 任  岩手医科大学, 医学部, 教授 (40344676)

研究分担者 田中 伸幸  地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん先進治療開発研究部, 部長 (60280872)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード非小細胞肺癌 / CMTM / エクソソーム / 免疫チェックポイント阻害剤 / 治療耐性
研究実績の概要

免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の登場によって非小細胞肺癌(NSCLC)の治療成績が飛躍的に改善している。ニボルマブ等の投与により劇的な治療効果を示す症例もあるが、奏効率は20%程度に留まる。一方、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤はNSCLCに対する優れた治療薬であるが、耐性が課題である。最近になって、4回膜貫通分子CMTM6が免疫チェックポイントPD-L1の発現を制御することが明らかになった。申請者は肺癌由来エクソソームがCMTM7に制御される知見を得た。本研究では、「CMTM6およびCMTM7がエクソソーム形成を通して治療抵抗性を誘導している」という仮説を立て、その検証を行う。
我々は肺癌細胞株のCMTMの発現を他癌腫細胞株を比較しながら評価した結果、肺癌細胞株ではCMTM6およびCMTM7で発現が高いことが分かった。その後の研究をCMTM6とCMTM7にフォーカスしていくことになった。
H1975肺癌細胞株とii-18肺癌細胞株にCMTM6およぶCMTM7をトランスフェクトし安定的にCMTMを発現できる細胞株を樹立した。それぞれのCMTMの働きをみるためにshRNAコンストラクトを作成を試みている。また、CMTM,EGFR、PD-L1の追跡を容易にするためNanoLuc 標識ベクターの作成にも取り組んでいる。これらのベクター細胞の樹立によりin vitroで効率的にCMTMの働きによる変化をみることができるようになる。
超遠心を用いてエクソソームの検出についても検証中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍で県を跨ぐ移動が制限され、二施設間での人事交流が困難となった。もちろん定期的にWeb開催を行って進捗に務めたが、実験技術的の調整などはWebでは不可能であった。また、学内の超遠心の使用についてワークしていないものが多く、その体制づくりに難渋した。

今後の研究の推進方策

上記各種ベクターをトランスフェクトした細胞を樹立し、その質を評価した後以下の研究を行う。
1)CMTM過剰発現に関する研究:CMTM6およびCMTM7を過剰発現させた時の腫瘍細胞の増殖能、浸潤能、遊走能を確認する。また、EGFR・PD-L1の発現量を評価する。
2)誘導型CMTMノックアウト細胞に関する研究:CMTM6およびCMTM7をそれぞれノックアウトした時のエクソソームの量を測定する。CMTM6およびCMTM7をそれぞれノックアウトした時のエクソソームに搭載されるEGFRおよびPD-L1の量について評価する。

次年度使用額が生じた理由

現在、研究1年目であり、今後の計画通りに研究を進めるつもりである。

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公開日: 2023-12-25  

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