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2022 年度 実施状況報告書

糖尿病性腎臓病へのmiR-143/145の関与を明らかにする

研究課題

研究課題/領域番号 22K08302
研究機関群馬大学

研究代表者

坂入 徹  群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20455976)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード糖尿病性腎臓病 / miR-143 / miR-145 / 糸球体上皮細胞 / TGF-β / WT1
研究実績の概要

糖尿病性腎臓病の糸球体糸球体上皮細胞ではTGF-β の発現が増強しており、TGF-β を作用させた培養糸球体上皮細胞ではアポトーシスが誘導されることから、TGF-βは糖尿病性腎臓病における糸球体上皮細胞障害の原因の一つと考えられている。申請者らは以前、培養糸球体上皮細胞においてTGF-β 1が、糸球体上皮細胞の正常機能維持に必要な転写因子のWT1の発現を低下させることを報告した。その後、TGF-β 1を作用させた培養糸球体上皮細胞において、miR-143/145クラスターが上昇すること、更に、レンチウイルスベクターを用いてmiR-143またはmiR-145を強制発現させた培養糸球体上皮細胞でWT1発現が低下することを見出した。更に、2型糖尿病モデルマウスのdb/dbの単離糸球体においてmiR-143の発現が上昇することが分かった。以上から、miR-143/(およびmiR-145)が糖尿病性腎臓病における糸球体上皮細胞障害に関与しているる可能性があると考え、培養細胞に加え、マウスを用いた実験でそれを証明することを計画した。まず、TGF-β 1を作用させた培養糸球体上皮細胞に同時にmTOR阻害薬であるラパマイシンを作用させるとTGF-β 1によるmiR-143/145の上昇とWT1の発現低下が部分的に抑えられたことから、mTORシグナルがTGF-β 1によるmiR-143/145上昇を仲介していることが分かった。そこでdb/dbマウスにラパマイシンを投与し、腎症の改善やmiR-143/145の発現上昇がみられるかどうかを解析した。予想に反し、ラパマイシンを投与したマウスでは蛋白尿の改善がみられず、単離糸球体においてmiR-143/145の上昇がみられなかった。これまでの報告で、ラパマイシンはdb/dbを含めた糖尿病モデルで蛋白尿を減少させることが報告されており、乖離の原因を探っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

tetO-pri-miR-143/145遺伝子を導入したマウスを樹立し、既に所有しているpodocin-rtTAマウスをかけ合わせて、テトラサイクリン依存性に糸球体特異的にmiR-143/145を高発現するマウスを作成することを計画しているが、現時点で進んでいない。

今後の研究の推進方策

今後、tetO-pri-miR-143/145遺伝子を導入したマウスを樹立し、podocin-rtTAマウスをかけ合わせて、テトラサイクリン依存性に糸球体特異的にmiR-143/145を高発現するマウスを作成することを計画している。

次年度使用額が生じた理由

年度中に全額使用できなかったが次年度も引き続き研究を行う予定のため、残額については次年度に試薬等の物品費として使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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