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2022 年度 実施状況報告書

糖尿病性腎症進展抑制を目指したエクソソーム阻害薬投与効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K08311
研究機関熊本大学

研究代表者

水本 輝彦  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (80749193)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード糖尿病性腎症 / エクソソーム
研究実績の概要

慢性腎臓病の進行にメサンギウムマクロファージ間のエクソソームを介した細胞間クロストークが慢性炎症に関与していることが確認され、創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)による研究支援を受け、既存薬ライブラリを用いて、本機序を効果的に抑制できる化合物Xを同定した。本研究の目的は化合物Xによる腎不全進行抑制作用の機序の同定と慢性糸球体腎炎や慢性腎不全の進行に対する有効性など新規治療薬の開発や応用を目的としている。
糖尿病モデル動物を用いて化合物Xの腎症進展に及ぼす影響を検証するため、Streptozotocinにより糖尿病を誘発したSDラット (8週齢雄)を用いて、化合物Xを6週間腹腔内投与 (週2回、0.5 mg/kg)して、尿中アルブミン排泄量、腎組織学的変化を評価した。その結果、組織学的評価において、化合物X投与群では糸球体メサンギウム領域の拡大が抑制されている傾向が認められ 、尿中アルブミン排泄量は有意に化合物X投与群で減少を認めた 。今回の目的の機序を検討するために糸球体局所における遺伝子発現を評価した。採取した腎臓からsieving法にて糸球体を単離し、抽出したcDNAを用いて、リアルタイムPCR法にて炎症関連遺伝子 (IL-1β、TNFα)の発現を評価した。化合物X投与にて有意に炎症関連遺伝子発現が抑制されることが示された。化合物Xの糸球体局所での抗炎症作用はエクソソーム抑制作用と関連から現在検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

糖尿病性腎症モデルラットにおける化合物Xが尿蛋白や腎組織を改善させるメカニズムとして化合物Xが糸球体の炎症を抑えることを示した。これが機序につながるものであり、現在エクソソームと関連についてIn vivo, in vitroにおいて検討中であり、おおむね順調に進んでいると
考えられる。

今後の研究の推進方策

糖尿病性腎症モデルラットにおける化合物Xが尿蛋白や腎組織を改善させた。この機序として化合物Xが糸球体の炎症を抑えることを示し、これがエクソソームとの関連について現在、検討中である。今後、化合物とエクソソームとの関連を明らかにし、機序を解明していく。
その後、別の腎不全モデルラットに対する効果を検証することで新しい治療ターゲットなるように検討を進めていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] A novel VCP modulator KUS121 exerts renoprotective effects in ischemia-reperfusion injury with retaining ATP and restoring ERAD-processing capacity2022

    • 著者名/発表者名
      Hata Yusuke、Date Ryosuke、Fujimoto Daisuke、Ikeda Hanako Ohashi、Umemoto Shuro、Kanki Tomoko、Nishiguchi Yoshihiko、Mizumoto Teruhiko、Hayata Manabu、Kakizoe Yutaka、Izumi Yuichiro、Kakizuka Akira、Mukoyama Masashi、Kuwabara Takashige
    • 雑誌名

      American Journal of Physiology-Renal Physiology

      巻: 322 ページ: F577~F586

    • DOI

      10.1152/ajprenal.00392.2021

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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