研究課題/領域番号 |
22K08312
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
森永 潤 熊本大学, 病院, 客員講師 (50459210)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 糸球体 / 恒常性維持および破綻 |
研究実績の概要 |
申請者は本研究費を用い、糸球体の恒常性維持及びその破綻における分子メカニズムを明らかにする目的で、本年度に以下の検討を行った。糸球体特異的に標的遺伝子をノックアウトするためのCre/loxPシステムに関しマウス腎臓での性能評価を進めた。その結果、糸球体の標的遺伝子をノックアウトするためには高用量のタモキシフェンを投与する必要があるが、一方で、マウスの中にはタモキシフェンに対する感受性が高く衰弱に至る個体が一定数存在した。本研究ではタモキシフェン投与下の糸球体特異的ノックアウトマウスに対し、さらに糸球体障害を惹起させるためにアドリアマイシン投与を追加することが、単なる糸球体障害だけでなく、衰弱など全身へ影響を及ぼす可能性が考えられた。今後は、タモキシフェンおよびアドリアマイシン投与量の最適条件を見出すための検討を継続しながら、他の度糸球体障害モデルの検討も併せて進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は上記のように詳細な条件検討を重ねた結果、マウス糸球体特異的ノックアウト+糸球体障害モデルのプロトコル最適化に向け、多くのデータを蓄積することが出来た。今後、標的遺伝子欠損マウスの表現型を解析するにあたり、プロトコルの科学的な妥当性について検討を行えたことは一定の成果と考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、タモキシフェンおよびアドリアマイシン投与量の最適条件を見出すための検討を継続しながら、他の糸球体障害モデルの検討も併せて進めたい。検討する糸球体障害動物モデルの選択肢を増やし、これまでより妥当な動物モデルで糸球体恒常性維持機構に関する検討を行うことが期待される。
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