研究課題/領域番号 |
22K08321
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研究機関 | (財)冲中記念成人病研究所 |
研究代表者 |
和田 健彦 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (90447409)
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研究分担者 |
深川 雅史 東海大学, 医学部, 教授 (00211516)
豊田 雅夫 東海大学, 医学部, 准教授 (00349383)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ポドサイト / 糖尿病 / ビタミンD / 細胞分化 / 細胞周期 |
研究実績の概要 |
本研究課題では糖尿病に関連する様々な代謝性ストレス環境下で糸球体足細胞(ポドサイト)が最終分化段階にある定常状態から脱分化・細胞周期への再導入と関連していること、さらにビタミンDがビタミンD受容体シグナルを介して分化維持作用を発揮することにより細胞保護的に働くという仮説を検証している。現時点においては、糖尿病モデルマウスの作成およびアルブミン尿排出の確認、活性型ビタミンD製剤による軽減効果について動物実験により確認の上、そのメカニズムについて主として細胞生物学的実験により検証を行っている。これまでにいくつかの細胞周期調節分子および足細胞関連分子の発現がTGF-β1および活性型ビタミンD製剤による刺激により変化しており、さらにこれらの組み合わせによりその変化が軽減ないし亢進することが観察されている。また、他の細胞種でも報告されているとおり、活性型ビタミンD製剤による刺激で、ビタミンD受容体の発現は亢進することから、ポジティブフィードバック機構が働いていることも想定されている。また、siRNAを用いた細胞実験により、その因果関係を確認しており、概ね仮説を実証する結果画が得られつつある。現在はscratch assayなどを用いて、実際に足細胞の動態に影響するかどうかを検討しているが、今後シグナリングの検討を重ねることにより、期間内に計画を達成できるよう努めている。また、これまでの結果をまとめて今秋の米国腎臓学会へ報告すべく、演題応募を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は実験条件の再検討および当初想定していなかった人的要因(研究代表者の施設異動)により研究計画より遅れていた。しかし、2023年度において、前年度に時間を要しながら設定した条件により細胞周期調節分子・足細胞関連分子発現の検討とsiRNAを用いた検証が一定程度進行したため、現時点においては概ね順調に進んでいると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、培養足細胞を用いてTGF-β1および活性型ビタミンD製剤刺激による細胞生物学的検討を継続する。これまでに得られた発現解析を蛋白レベルで検証すること、ビタミンD受容体シグナル伝達の詳細について明らかにすること(ビタミンD受容体の細胞内局在の変化を含む)を計画している。シグナル伝達経路については、PI3K-Akt経路について予備的実験を行ったが、現時点で明確な関与を見いだせていない。その他にJAK-STAT経路・ERK経路についても検討する予定である。研究代表者の和田が冲中記念成人病研究所(虎の門病院)へ異動したが、東海大学の研究分担者と連携を密に取ることができており、今後も研究活動を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、本研究課題に関する研究・実験の進捗が特に初年度で遅れ、血清・細胞培養液・血清や抗体等の購入が当初予定よりも減少していたことが主因である。また、新型コロナウイルス感染症の影響等により令和4, 5年度の米国腎臓学会出席も見送り、海外出張旅費も必要とならなかった。 次年度は抗体および分子生物学的試薬の購入が必要となる局面が多く想定され、さらに培養細胞実験に多くの培養液や血清および試薬を使用する必要が見込まれることからこれらに支出する予定である。また、2024年度は米国腎臓学会出席等海外出張旅費および論文作成費用等も必要となると想定される。
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