研究課題/領域番号 |
22K08335
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
竹田 徹朗 獨協医科大学, 医学部, 教授 (10361924)
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研究分担者 |
阿部 利弘 獨協医科大学, 医学部, 助教 (90833377)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | フィブロネクチン / 遺伝性腎疾患 / 糸球体沈着 |
研究実績の概要 |
本研究では変異フィブロネクチン(FN)がいかにして糸球体内に沈着するのかを明らかにすることである。 ①私たちが診断したFN腎症3例のうち若年発症例の変異転写産物シークエンスを確認する。 患者末梢血白血球からmRNAを抽出し、PCRおよび直接シークエンス法を用いてFN1転写産物のシークエンス解析を行うことを画策したが、コロナ禍のため患者受診差し控えやコロナ感染症罹患などにより、mRNA抽出が遅れ、PCRでFN1転写産物を検出を試みたが、現時点で発現が確認できていない。 ②FN1全長cDNAを業者から購入し、鋳型とするため、まずはそのシーケンスが正しいかどうかを確認した。 日本腎臓学会など関連学会でのフィブロネクチン腎症や糸球体へのフィブロネクチン沈着に関する情報交換を対面あるいはオンラインで行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍のため患者受診差し控えや患者自身のコロナ感染症罹患などにより、受診が遅れ、RNA抽出するタイミングが遅れてしまった。また、分子生物学的試薬やキットなども輸入遅延の影響があり、入荷を待つことが多かった。
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今後の研究の推進方策 |
①白血球にFN1遺伝子発現を認めない場合は尿沈渣(尿中落下細胞)を用いてmRNA抽出を行う。転写産物のシークエンスより予想される変異FNのC末端領域を同定する。 ②FN1全長cDNAを鋳型にして晩期発症変異(A)と①で同定した若年発症変異(B)cDNAを作成し、その変異タンパクを発現させる。FN1全長cDNAを鋳型にしてPCRを用いたmutagenesisを行い、A,Bの2種の変異cDNAをFLAGタグ付き発現ベクターに組み込む。次に、A,B両者の発現ベクターをHEK293細胞に遺伝子導入する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため輸入遅延が常態化しており、発注しても商品、試薬の納品が遅れていて、支払いが生じていない。既存の試薬で間に合う部分でRNA抽出やPCRを行っている。今年度支出予定であった、試薬に関しては翌年度に納品される予定である。また、国際学会での情報収集のための旅費を算定していたが、大学からの渡航自粛命令があった。対面での国際学会が参加できるようになれば支出する予定である。
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