ミネラルコルチコイド受容体(MR)関連高血圧では、MR活性化による炎症の惹起と線維化の促進によって、全身臓器に障害を来しやすいことが知られている。しかしながら、MR関連高血圧において、なぜMR活性化が起きるのか、そのメカニズムについては知られていない。本研究では、MR関連高血圧のうち、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に伴うアルドステロン産生過剰を介したMR活性化に着目し、そのメカニズムを解明する。PCOSは、卵胞刺激ホルモン(FSH)は正常であるのに対し、黄体形成ホルモン(LH)の基礎分泌が高値を示すことを特徴としており、LH高値がアルドステロン産生およびMR活性化に及ぼす影響を検証する。ヒト副腎癌細胞HAC15を用いて、アンジオテンシンII存在下でLH200 ng/ml、16時間後の評価でcAMP-PKA経路とCa2+シグナル関連分子の検討を実施中である。
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