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2022 年度 実施状況報告書

セリンプロテアーゼによる尿濃縮メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K08358
研究機関熊本大学

研究代表者

安達 政隆  熊本大学, 病院, 准教授 (90398206)

研究分担者 向山 政志  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (40270558)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードセリンプロテアーゼ / 水利尿 / 水チャネル
研究実績の概要

SDラットにおけるメシル酸カモスタット(CM)投与時の体重、飲水量、尿量の変化および血液・尿生化学検査での尿濃縮に関連する各種パラメーターの変化ならびに腎組織と尿exosome中のAQP1~4の各種mRNAや蛋白発現を下記の通り検討した。
6週齢雄性SDラットを (1)コントロール群 (n=5)と (2)CM投与群(n=5)の2群に分け、コントロールラットにはビークルペレットを移植し、 CM群には徐放性CMペレット(CM200mg含有)を2個皮下移植し、CMを約60mg/kg/日で投与した。CM投与群では投与開始後に食事量の減少を認め、体重が減少する傾向を認めた。初期に食事量が減少しているにもかかわらず、1日~5日目まで著明な尿量と飲水量の増加を認めた。
尿量の増加は、尿中Na排泄や浸透圧物質排泄と関連を認めず、CMにより自由水排泄が亢進していると考えられた。尿細管における自由水代謝に影響する髄質浸透圧、血清K・Ca値、ADH値には変化を認めなかった。
CM投与により自由水排泄亢進を認めたため、腎尿細管での代表的な水チャネルであるAQP1~4の蛋白発現を腎臓において評価したところ、CMによりAQP1の蛋白発現の増加を認めた。この現象は、多尿とは相反する結果であり、代償的な発現増加が推測された。AQP2~4には有意な変化を認めなかった。
バゾプレシンによるAQP2活性化の指標と考えられている尿中エクソソームAQP2の発現を評価したところ、尿中エクソソームAQP2は1日~5日目まで、また24時間飲水制限の間も排泄が低下していた。これらのことから、CMが生理的なバソプレシンによるAQP2の活性化を障害し、自由水の排泄を亢進させていると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度の研究計画通りに実験を遂行でき、結果についても解析できている。

今後の研究の推進方策

現在の研究計画に基づいて実験ならびに結果解析を遂行する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Serine protease inhibition exerts aquaretic effects and decreases urinary exosomal AQP2 levels2022

    • 著者名/発表者名
      Yutaka Kakizoe, Yasunobu Iwata, Terumasa Nakagawa, Qinyuan Deng, Masataka Adachi, Yoshikazu Miyasato, Miyuki Nakagawa, Yu Nagayoshi, Kayo Nishiguchi, Yuki Narita, Yuichiro Izumi, Takashige Kuwabara, and Masashi Mukoyama
    • 学会等名
      第29回国際高血圧学会
    • 国際学会
  • [学会発表] セリンプロテアーゼ阻害薬による尿エクソソーム中AQP2減少を伴う水利尿効果2022

    • 著者名/発表者名
      柿添豊 中川輝政 岩田康伸 トウキンゲン 宮里賢和 泉裕一郎 桒原孝成 安達政隆 向山政志
    • 学会等名
      第26回日本心血管内分泌代謝学会学術総会

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公開日: 2023-12-25  

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