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2023 年度 実施状況報告書

皮膚筋炎はなぜ感染症で増悪するのか?:抗菌ペプチドカセリサイディンの炎症惹起機構

研究課題

研究課題/領域番号 22K08373
研究機関東北大学

研究代表者

高橋 隼也  東北大学, 大学病院, 講師 (30712195)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード抗菌ペプチド / カセリサイディン / DAMPs/PAMPs / 皮膚筋炎 / 若年性皮膚筋炎 / 感染症
研究実績の概要

代表的なDamage-associated molecular patterns (DAMPs)であり、スカベンジャー受容体(SR)リガンドとして知られるdsRNA, dsDNA、high mobility group box 1 protein(HMGB1)を活性型カセリサイディンLL-37とともにヒト培養角化細胞(NHEK)に加えたところ、インターロイキン(IL)-6, IL-36γ、インターフェロン(IFN)β、腫瘍壊死因子(TNF)といった炎症性サイトカインが強く誘導された。またこれらの誘導は、SR阻害剤であるfucoidan や、SRに対するsiRNAの阻害により抑制された。さらに、ヒト単球由来樹状細胞(MoDC)にdsRNAとLL-37を加えた際、およびヒト単球由来マクロファージにdsDNAとLL-37を加えた際にも同様のサイトカイン誘導が観察された。これはLL-37がこれらのDAMPsと結合し、SRから細胞内に取り込まれ、炎症を誘導していることを示唆する。
野生型マウス背部皮膚でテープストリッピングを行うと表皮が肥厚し、真皮、皮下に好中球や単核球、組織球の浸潤を認め炎症が惹起される。LL-37、ウイルスのRNAを模したpoly(I:C)を皮下注射したうえでテープストリッピングを行うと表皮肥厚や炎症細胞浸潤が増強され、両者を皮下注射するとさらに増強された。皮膚を用いた定量PCRでは、テープストリッピングとLL-37皮下注射の併用群では、テープストリッピングのみの群に比べIL-1β、IFNβ、TNF、IL-6、 CXCL5, PTGS2, S100a9などのサイトカインの有意な上昇を認め、表皮障害に伴う炎症惹起にLL-37を加えると好中球性炎症が誘導されることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

実験計画のうち研究計画1(皮膚筋炎患者組織・血中におけるウイルスRNA取り込み,LL-37発現の検討)については患者組織が揃わず、まだ行えていない。研究計画2(in vitro, ex vivoにおけるLL-37によるウイルス核酸およびDAMPs取り込み,およびLL-37放出機構の検討)についてはヒト培養角化細胞(NHEK)で進捗がみられるが,角化細胞以外の培養細胞や患者血清での検討はまだ行えていない.研究計画3(マウスにおける皮膚炎症モデルマウスの探索)については野生型マウスでの進捗がみられるものの,皮膚筋炎モデルマウスでの実験は行えていない。以上より遅れていると判断する.

今後の研究の推進方策

研究活動に対するエフォートを増やす.

次年度使用額が生じた理由

実験継続のため。

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公開日: 2024-12-25  

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