研究課題/領域番号 |
22K08391
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
野村 彩乃 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50645835)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | トランスクリプトーム解析 |
研究実績の概要 |
先行研究で採取したアトピー性皮膚炎患者の1mmパンチ皮膚の、mRNAseqデータの再解析を行なった。具体的には、抗IL-4Rα抗体製剤(デュピクセント)の時系列データを含む1000検体上のAD患者皮膚検体を採取・解析しており、初年度ではこちらの詳細解析を行なった。横断解析、時系列解析(デュピクセント使用中の患者症例)の増数、次元圧縮解析におけるパラメーター調整、時系列解析のおける他治療による影響の調整(混合効果モデル解析による)を行なった。また次元圧縮解析により得られた遺伝子群の生物学的意義を検証するため、IPAソフトにより詳細なパスウェイ解析を行なった。さらに、単一遺伝子でマーカーとなる候補の遺伝子の絞りこみをおこなった。つまり次元圧縮解析で得られた遺伝子群(Gene cluster)の各サンプルにおける重みは、新たなサンプルで検証するためには今までのデータと統合し新たに解析を行う必要があるが、各遺伝子群に特異的に含まれる遺伝子を求めることにより、新たなサンプルでも単一遺伝子の発現量を比べることによって、潜在的に各遺伝子群の発現量を推定できるというメリットがあり、他研究や今後実施予定のシングルセル解析で得られたサンプルに応用することが可能である。これらから得られた知見をもとに、シングルセルRNA-seq解析とバルクRNA-seq解析で共通もしくは相関性の高い発現変動遺伝 子/パスウェイや、臨床的改善率と連動する分子をバイオマーカー候補とする。患者が治療 で改善しない場合は病変部と非病変部の発現変動遺伝子を治療不応マーカー候補とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シングルセル解析を行う検体には患者からブロック検体を採取する必要があるが、侵襲性の問題や治療修飾などの問題で選択される患者が限定的であるため、リクルートに難渋している。
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今後の研究の推進方策 |
計画的に患者リクルートを行うこと、シングルセル解析を行うプラットフォーム、体制の構築を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
シングルセル解析用検体の採取を行うに適した患者がいなかったため、シングルセル解析を行わなかったため。今後は計画的に患者リクルートを行い、シングルセル解析を行うプラットフォーム、体制の構築を行う。
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