今後の研究の推進方策 |
転写因子SOX2による酸化ストレスの制御機構および遺伝子発現制御をin vivo, in vitroにおいて解明する。申請者はマウス初代表皮細胞を培養する技術を有しており、in vitroにおいて過酸化水素により生じる酸化ストレスに対するSOX2の影響を検討する。既に予備実験を開始しており、SOX2発現群では過酸化水素刺激により生じるアポトーシス細胞数が有意に減少することを見出した(右上図)(未発表データ)。その制御機構を解明するため活性酸素種(ROS)の定量、酸化ストレス関連遺伝子(Nrf2, HO-1, NQO-1, Trx2, NOX1~4)の発現量、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6、IL-1βなど)の発現などを免疫染色やreal time PCR法、フローサイトメトリー法などを用いて検討する。1年目で作成したSOX2/OKD48マウスを用いて皮膚虚血再灌流部位で生じる酸化ストレスについてSOX2発現群と非発現群での検討をin vivoで行う。さらに上記の初代表皮細胞培養技術を用いてTG/OKD-48マウス由来初代表皮培養細胞を樹立し、過酸化水素刺激により生じる酸化ストレスについてコントロール群とSOX2発現群で検討をin vitroで行う。さらに今後は転写因子SOX2のターゲット遺伝子による皮膚虚血再灌流障害に対する治療応用を検討する。
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