研究課題/領域番号 |
22K08411
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
天羽 康之 北里大学, 医学部, 教授 (10306540)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 幹細胞 / 再生医療 |
研究実績の概要 |
我々はマウス由来毛包幹細胞による糖尿病性皮膚潰瘍モデルの作製を行い。2023年5月に行われる国際研究皮膚科学会に報告する。マウス由来毛包幹細胞のコロニーを大量培養し、糖尿病モデルマウスの皮膚潰瘍部に移植し、再生を誘導することに成功した。毛包幹細胞移植群では、毛包幹細胞を移植しなかったものと比較して有意に潰瘍の縮小が早まった。また、組織でも瘢痕形成が少なく、きれいな治癒創を形成することができた。 さらに、ラット由来毛包幹細胞から心室筋、心房筋の分離培養に成功した(現在論文投稿中)。現在、マウスやラットの髭毛包から分離した心室筋を主体とした心筋シートを作成し、心不全マウス、ラットモデルの心筋膜上に移植する実験を行っている。移植後、超音波を用いて心機能の改善効果を確認するとともに今後の臨床応用に向け、安全性と腫瘍化の可能性を検討しており、in vivoとin vitro両方で遺伝子異常の発現や移植後の組織学的な検討によって腫瘍化の有無を十分に調査して臨床応用に向け、安全性を確認する。 脊髄損傷モデルにおいても、マウス、ラット由来毛包幹細胞のコロニーを大量培養し、ヌードマウスや免疫不全ラットの脊髄損傷部に移植し、再生を誘導することに成功している。現在、併用するバイオマテリアルを毛包幹細胞の足場材料として、polyvinylidene fluoride membrane、コラーゲンゲル、マトリゲルをはじめとした支持組織に毛包幹細胞を組み込み、脊髄損傷部や上記の皮膚潰瘍モデルに試行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
我々はマウス由来毛包幹細胞による糖尿病性皮膚潰瘍モデルの作製を行い、再生を誘導することに成功した。毛包幹細胞移植群では、毛包幹細胞を移植しなかったものと比較して有意に潰瘍の縮小が早まった。また、組織でも瘢痕形成が少なく、きれいな治癒創を形成することができた。さらに、ラット由来毛包幹細胞から心室筋、心房筋の分離培養に成功した。脊髄損傷モデルにおいても、マウス、ラット由来毛包幹細胞のコロニーを大量培養し、ヌードマウスや免疫不全ラットの脊髄損傷部に移植し、再生を誘導することに成功している。いずれの研究も学会発表を行い、論文投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
糖尿病性皮膚潰瘍モデルにおいては、マウス由来毛包幹細胞のコロニーを大量培養し、糖尿病モデルマウスの皮膚潰瘍部に移植し、再生を誘導することに成功した。毛包幹細胞移植群では、毛包幹細胞を移植しなかったものと比較して有意に潰瘍の縮小が早まった。また、組織でも瘢痕形成が少なく、きれいな治癒創を形成することができた。美容的にも優れた再生能力を有する毛包幹細胞シートの作製を行っている。 さらに、ラット由来毛包幹細胞から心室筋、心房筋の分離培養に成功した。現在、マウスやラットの髭毛包から分離した心室筋を主体とした心筋シートを作成し、心不全マウス、ラットモデルの心筋膜上に移植する実験を行っている。移植後、超音波を用いて心機能の改善効果を確認するとともに今後の臨床応用に向け、安全性と腫瘍化の可能性を検討しており、in vivoとin vitro両方で遺伝子異常の発現や移植後の組織学的な検討によって腫瘍化の有無を十分に調査して臨床応用に向け、安全性を確認する。 脊髄損傷モデルにおいても、マウス、ラット由来毛包幹細胞のコロニーを大量培養し、ヌードマウスや免疫不全ラットの脊髄損傷部に移植し、再生を誘導することに成功している。現在、併用するバイオマテリアルを試行中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費等の購入を行った後に残った残額が小さく、使い切れなかったためです。次年度に使用を検討しております。
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