研究課題
天疱瘡における好酸球・好中球浸潤の関連について、一部の病型でみられる炎症細胞浸潤の病態形成に影響について、その存在意義や詳細なメカニズムについ て本質を捉えた研究はいまだ報告はなく、好酸球や好中球の表皮細胞間接着障害に関与するメカニズムや、浸潤する炎症細胞と抗原抗体反応のプロファイリングの相関性、さらにそのプロファイリングと臨床型との相関性について検討し、天疱瘡の病態解明を目的とする。 当該年度中に久留米大学皮膚科で多くの自己免疫性水疱症症例の診断検査を施行し、本研究の対象疾患である天疱瘡症例について、抗原抗体プロファイリングを行った。各天疱瘡症例の抗原抗体プロファイリングにおいて、デスモグレイン(Dsg)とは別にデスモコリン(Dsc)に対する自己抗原の検討について、Dsc蛋白作製からELISA法を施行した。また病理組織学的に炎症細胞浸潤の評価では、亜型の天疱瘡以外に、古典型天疱瘡においても好酸球浸潤を示す所見が得られ、特定の抗体検出と相関性を示した。また多くの検討から得られた天疱瘡の情報を踏まえて様々な自己免疫性水疱症の抗原抗体解析を施行し、和文および英文論文として発表した。これらの研究結果は種々の天疱瘡疾患における正確な診断および適切な治療の選択に大いに役立つものである。
3: やや遅れている
本研究の施行中に、さらに多くの新規天疱瘡症例を見出し、その患者の皮膚組織検体、血清などの生体試料を保存したことは、今後の本研究に有用であった。また、これらの患者の臨床的・免疫学的・生化学的検討から、天疱瘡の特殊な亜型の臨床的特徴(増殖性天疱瘡や疱疹状性天疱瘡など)を見出し、一部の古典型天疱瘡においても抗デスモコリン(Dsc)抗体を検出したことは、今後の本研究の推進に役立つものであった。本研究の特徴のひとつでは、抗デスモグレイン(Dsg) 抗体以外に、抗Dsc抗体の検出を合わせて、抗原抗体プロファイリングすることである。Dsc-ELISA法を確立し施行した。また病理組織学的免疫組織学的評価について、炎症細胞浸潤、好酸球浸潤の評価を行ったが、その他の炎症細胞浸潤の評価までに至っておらず、若干の遅れがある進捗であると評価した
本研究の施行中に、前年に引き続き多くの新規天疱瘡症例を見出し、その患者の皮膚組織検体、血清などの生体試料を保存したことは、今後の本研究に有用である。これらの患者の臨床的・免疫学的・生化学的検討から、天疱瘡の特殊な亜型の臨床的特徴(増殖性天疱瘡と疱疹状性天疱瘡など)を見出し、抗デスモコリン抗体を検出したことは、今後の本研究の推進に役立つ。また、今までの研究の過程で得られた、蛍光抗体法、ELISA法、免疫ブロット法の結果、多くの臨床的研究、自己抗原の解析、新しい網羅的な自己免疫性水疱症の分類などの多くの研究結果を和文および英文論文として発表した。多くの症例に対する抗原抗体解析の継続とともに、病態実験モデルの施行について、研究の推進をしていく予定である。
【理由】学会参加旅費が予定額と違ったため。【使用計画】次年度使用額が30円となったため、来年度の使用額と合わせて購入する。
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すべて 雑誌論文 (42件) (うち査読あり 38件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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