研究課題/領域番号 |
22K08427
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
坂本 慶子 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (60943529)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自然リンパ球 / 免疫不全マウスモデル / 瘢痕性脱毛症 / JSID plenary session |
研究実績の概要 |
研究テーマ:定常状態および炎症下における皮膚自然リンパ球の制御メカニズム
皮膚には多くの組織在住型の免疫細胞が存在し、生理的もしくは病的な炎症を担う。毛嚢は、ケモカインやサイトカインを産生することで皮膚在住型免疫細胞の配置や維持に重要な役割を果たすことが確立されてきた。しかし、この免疫-毛嚢クロストークには不明なことも多く、より理解を深めることで、炎症性皮膚疾患(特に脱毛症)の病態解明に貢献しうる。 我々は、特に皮膚の自然リンパ球(innate lymphoid cells; ILC)に着目し、免疫不全マウスモデルを用いて、定常状態および炎症下における皮膚ILCの制御機序とILC が依存するサイトカイン受容体を同定することを目的とした。さらに、ヒトの瘢痕性脱毛症の組織において、組織学的検討に加え、シングルセルRNAシーケンスを用いて自然リンパ球の疾患との関わりを検討した。研究内容は2022年12月に開催されたThe Japanese Society for Investigative Dermatology (DSID)において plenary sessionでの口頭発表を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
免疫不全マウスモデルの交配が進み、実験を計画的に実行できる状況である。学内のフローサイトメトリーのパネルを確立し、皮膚の免疫細胞を同定することが可能となった。また、同時に人の瘢痕性脱毛のサンプル数も増え、シングルセルRNAシーケンスの解析も進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
自然リンパ球が定常状態・炎症状態においてそれぞれ皮膚の細胞(特に毛嚢)とどのようにコミュニケーションを行なっているかについて、さらに検討を進めていく。フローサイトメトリー、Immunofluorescence、シングルセルRNAシーケンスなどの技術を駆使して、ILC が依存するサイトカイン受容体や皮膚における役割について検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験を計画的に進めるために、マウスや試薬の購入に必要とした。
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