研究課題/領域番号 |
22K08463
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
神田 善伸 自治医科大学, 医学部, 教授 (30334379)
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研究分担者 |
仲宗根 秀樹 自治医科大学, 医学部, 教授 (50757903)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 免疫細胞療法 / 成人T細胞性白血病リンパ腫 / HTLV-1 / Tax / 遺伝子導入 |
研究実績の概要 |
本研究ではTax特異的T細胞受容体遺伝子導入細胞傷害性T細胞の効果をさらに高めるために、以下のリサーチ・クエスチョンについて明らかにする。 (1) 健常者CD4陽性T細胞と比較して患者ATL細胞にはどのような遺伝子の発現の変化がみられるか? (2) CTLの奏効をさまたげる遺伝子の発現上昇はあるか? (3) 今後のATLに対する治療標的の候補となる遺伝子はあるか? (4) CTLが奏効しないATL細胞に特徴的な遺伝子発現はあるか? 患者ATL細胞と健常者CD4陽性T細胞について、次世代シーケンサーによるRNA-Seq解析を行い、Tax、PD-L1に限らず、網羅的に転写産物の発現定量化を行い、今後の治療標的の候補となる遺伝子を探索している。令和4年度は健常者CD4陽性T細胞と比較して患者ATL細胞にはどのような遺伝子の発現の変化がみられるかの解析を引き続き行い、患者と健常者で、細胞分裂にかかわるBIRC5、PLK1、EZH2などの発現の違いが認められた。このため、令和5年度は、小分子化合物ライブラリを用いて細胞傷害活性のある薬物のスクリーニングを行い、こうした発現の違いのある分子との関連を検証した。また、CTLの奏効をさまたげる遺伝子の発現上昇はあるかについては、CTLでHLA-ClassII分子の発現やT細胞分化にかかわる遺伝子群の発現に差異がみとめられ、現在症例も蓄積している最中である。さらに、今後のATLに対する治療標的の候補となる遺伝子の探索については、ATL患者検体のRNA-seqより、ある候補キナーゼ(X)の活性を認めたことから、このキナーゼ阻害による治療効果をin vitroで検証中したところ、腫瘍増殖を抑えることがわかり現在その機序について検証している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定している研究項目いずれも順調に進展し、成果が得られてている。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進んでおり、遂行する上での課題は特に感じていない。研究を進めるにあたってサンプルの入手が重要であり、他の医療機関との連携を深めてサンプルの入手に努める。
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