研究課題/領域番号 |
22K08475
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松尾 英将 京都大学, 医学研究科, 助教 (80769737)
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研究分担者 |
足立 壯一 京都大学, 医学研究科, 教授 (10273450)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 急性骨髄性白血病 / KMT2A / 遺伝子変異 / 次世代シークエンス / 再発 / クローン進化 |
研究実績の概要 |
本研究では、急性骨髄性白血病(AML)における新規検査技術を確立し、KMT2A再構成症例を主な対象として詳細なクローン構造やその進化機構、臨床的意義を明らかにすることを目的としている。 新規検査技術の確立については、レーザーマイクロダイセクション技術を用いて塗抹標本より採取した細胞からの全ゲノム解析を試みた。KPAM1細胞株を30, 100, 300細胞採取して、DNA抽出後に全ゲノム解析を実施したところ、100, 300細胞採取したサンプルでは既知のGATA1変異が検出された。よってレーザーマイクロダイセクションで採取したサンプルからの全ゲノム解析には、おおよそ100細胞程度必要と考えられた。 また、クローン構造解析については、日本小児がん研究グループ(JCCG)AML-05/99臨床試験登録症例を含めたKMT2A再構成症例、計27例の初発時・再発時セット検体のターゲットシークエンス結果を比較した。その結果、27例中14例(51.9%)で再発時にsignaling pathway変異の消失がみられた。同様の解析をKMT2A再構成以外のAMLで実施したところ、signaling pathway変異の消失は122例中36例(29.5%)と、KMT2A再構成症例と比較して有意に割合が低い結果が得られた。再発時にsignaling pathway変異を消失したKMT2A再構成症例は、転写因子や細胞周期に関わる遺伝子の変異を獲得している頻度が有意に高かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規検査技術の確立については、細胞株を用いた検討により、レーザーマイクロダイセクションで採取したサンプルからの全ゲノム解析に必要な細胞数情報が得られた。 また、クローン構造解析については、KMT2A再構成AML症例とそれ以外のAML症例の間でクローン進化機構が異なる可能性を見出しており、研究開始時の少数例の知見に基づく仮説と一致する結果が得られているため、進捗状況はおおむね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
新規検査技術の確立については、細胞株を用いた予備検討の結果をもとに、臨床検体を用いた検討を進める。また、クローン構造解析については、KMT2A再構成AML症例の中でも再発時にsignaling pathway変異の消失がみられた症例の臨床的特徴を明らかにする。さらに、研究代表者が過去に明らかにしたKMT2A再構成AMLの予後不良因子:KRAS遺伝子変異(Blood Adv. 2020)について、変異の部位やパターンによりクローン進化や予後に違いがみられるのか、検討を行う。
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