研究課題/領域番号 |
22K08477
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
加藤 裕子 島根大学, 医学部, 特別協力研究員 (00470336)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | レプチンレセプター陽性間葉系幹細胞 / 血管内皮細胞 / 造血幹細胞 |
研究実績の概要 |
本研究ではPhf6およびPhipの骨髄微小環境、特に代表的な造血支持能細胞であるレプチンレセプター陽性間葉系幹細胞LepR+MSCにおける役割を明らかにするため、LepR+MSC特異的Phf6欠損マウス(LepR-Cre;Phf6f/y)およびLepR+MSC特異的Phip欠損マウス(LepR-Cre;Phipf/f)を作製した。またバックアップとして、骨髄間質細胞で広範にCre recombinase を発現するPrx1-Creを用いたコンディショナルノックアウトマウスPrx1-Cre;Phf6f/yおよびPrx1-Cre;Phipf/fマウスも作製した。 LepR-Cre;Phipf/fおよびPrx1-Cre;Phipf/fマウスは正常に生まれ、生後12ヶ月までの体重変化にコントロールと比較して異常は認められなかった。生後2ヶ月より生後12ヶ月まで経時的に末梢血液細胞数の計測を行なった結果、白血球、赤血球、ヘマトクリット、血小板について、コントロールマウスとコンディショナルノックアウトマウス間に有意差はなかった。次に、6ヶ月齢および10カ月齢のマウスについて解析を行った。骨髄切片のH E染色では、骨梁や脂肪量に大きな差異は認められなかった。また、骨髄中の造血幹細胞数に有意差は認められなかった。造血幹細胞ニッチを構成するLepR+MSC(LepR+Sca1-CD31-)細胞の割合および絶対数に有意差は認められなかったが、Sca1+CD31+血管内皮細胞の割合および絶対数が有意に減少していることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LepR-Cre;Phipf/fおよびPrx1-Cre;Phipf/fマウスについては、繁殖を行い解析に十分な匹数が得られたので解析を開始している。造血幹細胞や造血支持能細胞であるLepR+MSCの頻度や絶対数に有意差は認められなかったものの、血管内皮細胞の割合および絶対数が有意に減少することが示されたので、今後の研究の方向性が定まってきた。 LepR-Cre;Phf6f/yおよびPrx1-Cre;Phf6f/yマウスについても、解析に十分な匹数が得られ、現在は解析予定の月齢に達するまで待っている状況であり、もうすぐ解析を開始することができる。
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今後の研究の推進方策 |
Prx1-Cre;Phipf/fマウスより、フローサイトメトリーを用いてLepR+MSCを分取し、脂肪細胞および骨芽細胞への分化能ついてin vitroで検証する。またPrx1-Cre;Phipf/fマウスにおける造血幹細胞以外の前駆細胞や成熟細胞についてもフローサイトメトリーを用いて詳細に解析を行い、血液細胞への影響を検証する。また、Prx1-Cre;Phipf/fマウスで示された骨髄中の血管内皮細胞の減少について、再現性があることを確認する。再現性を確認できた場合には、その詳細な分子機構について解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究で解析予定の複数種のマウスのうち、一部のマウスは今年度は繁殖中で、解析可能な匹数が準備できていなかった。次年度では解析に必要な匹数が十分得られる予定なので、その飼育費と解析費用、主にフローサイトメトリー用抗体の購入に使用したい。
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